ある日、私はリーマス・J・ルーピンに
ついて一人で考えていた…
いま思えばリーマスははじめから
おかしかったのかもしれない。

はじめて会った日、あれは満月の2日前
満月を見ながらリーマスはこの満月を
見れているのかしら?なんて考えたと思う

そして定期的に起こす体調不良。
今思えばすべて満月付近だった
毎月毎月、満月の夜にお母さんのお見舞いに
行くのもおかしな話だ、自分の体調も
悪いのにそんな夜中にお見舞いだなんて…
だいたい面会時間終わってるよね←
それはずっと不思議だったんだけど…
ダンブルドアの力かと思っていたし…

そして決定的なのは図書室での出来事。
セブが人狼の本を読んでいたあの日
満月の次の日…きっと自分の秘密が
バレたかもって焦ったんだわ…
人狼を見たのもきっと咬まれた時。
襲われる恐怖と、自分が人狼になってしまった
失望感に悩まされていたってことね…

リーマスはずっと一人で悩んでいたの?
孤独と戦いながら、誰にも話さずに?
そうだとしたらリーマスの一線引いた
態度にも頷けるかもしれない。
彼はどこか自分の奥まで入り込ませない
そんな雰囲気があるから…

リーマスのために何か出来ることはないの?
……アニメーガスになる時期を早めた方が
いいかもしれない、そう思った。

でもこれはあくまで一人でしなきゃ。


リリーにもセブにも言えない秘密が出来た瞬間だった




マクゴナガル先生を探さなきゃ
唯一のアニメーガス。
何か教えてくれるかもしれない


『マクゴナガル先生』
「おや、Ms.エバンズ。どうかしましたか?」
『お時間よろしいですか?その…私…
 先生にお聞きしたいことがあって…』
「えぇ、えぇ。いいですとも。何です?」
『アニメーガスについてなんです』
「…アニメーガスですって?」
『はい、先生。なりたいんです。アニメーガスに』
「それはなぜですか…?」
『……友達の、ためです』
「……Ms.エバンズ。あなたは非常に優秀で
 とても思いやりのある生徒です。
 えぇ、双子のリリー・エバンズもそうですよ。
 ですがアニメーガスは早すぎます。
 あの魔法は上級も上級、特別なのです。
 そのため魔法省も厳重に管理しています。
 もう少し大きくなってからでないと…」
『では先生!せめて参考文献だけでも
 教えて頂けませんか!?約束します。
 悪用しないし、一人で突っ走りません
 倫理を読んでみたいだけなんです…』
「…いいでしょう。アニメーガスの倫理は
 たくさんあります。その中から一番簡単で
 一番分かりやすい物を与えましょう。
 ただし、実践してはいけませんよ。
 アニメーガスはとても危険な魔法ですから…」
『はいっ!!ありがとうございます!』


マクゴナガル先生には悪いけど、
私は実践する気しかなかった…
もちろん自分のためにもなるけど
少しでも早く、リーマスの苦しみを
救ってあげたい。今はただそれだけ

それがただの自己満足だとしても…



「エリー、最近ずっと本を読んでいるのね?
 しかも難しそうだわ、何の本を読んでいるの?」
『これ?マクゴナガル先生に借りた
 変身術の上級の本よ。一人で勝手に
 実践しない代わりに読ませて頂いてるの。』
「あなた…そこまで変身術が好きだったの?
 闇の魔術に対する防衛術の方が好きなんだと
 思ってたわ。エリーはたまにセブと
 闇の魔法について話をしているから……」
『セブとのそれは情報交換に過ぎないわ
 リリー。私は闇の魔術には引き込まれない。
 迫り来る敵のために備えたいだけよ』
「そう…そうね。セブもそうだといいのに」
『大丈夫でしょ?リリーは心配しすぎよ(笑)』


私はその日から寝る間を惜しんで本を読んだ
瞬間記憶能力のおかげでいくら眠くても
内容はちゃんと頭に入ってくれるのが
今はとてもありがたく感じる。
こんな膨大の量…この能力がなかったら
覚えるのに何ヶ月かかるのかしら…?
そこから自分に合う倫理を探し出して
練習なんてしてたら…4年くらいかかる
それじゃ遅いのよ、私は。


夜更かしして読んではリリーに怒られ
強制的に眠らされるという生活を
繰り返していた。セブにも怒られた
…少し自重しようと思う。
焦っても仕方ない。落ち着こう。
倒れたら意味がないと自分に言い聞かせた






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