グリーン農場に着くと
まずは私が急いで建物に近付いて行く。

そこには馬でローリを連れて行った美少女がいた。


「柵を閉めてきた?」
『えぇ、ばっちりよ』
「私はマギー。あなたは?」
『エリー。それからグレンとTドッグ。
 Tドッグがケガをしているの。』
「大変。手当てをしなきゃ。」


マギーが部屋の中へ案内してくれる。
傷を見たマギーの家族達は急いで手当をしてくれた。


「連れて来て良かったわ。放っといたら大変」
『助かるの?』
「もちろん」
『良かった…』
「"メルル・ディクソン"ってあなた達の友達?」
「……メルルはもういない。弟のダリルはいる」
「俺は恨まれている」
「でも抗生物質で命拾いしたわ。メルルは病気?」
「淋病……」
『淋病?』
「あー…性病だってダリルが言ってた」
「淋病に命を救われたわね」
「想像したくない」
『淋病って何?』
「……Tドッグに聞いてくれ」


グレンはそう言うと部屋を出て行った。
マギーがグレンを追いかける。
私はTドッグの側にいた。


『あの……カールは?』
「隣の部屋で眠っている」
『良かった…生きてるのね…』
「あぁ。だが危ない状況だ。
 今はリックとローリが側にいる」
「2人だけ?シェーンは?」
「手術に必要な器具を調達しに行っている。
 カールの様子を見てみるかい?」


マギーとグレンも戻ってきて、
グレンと共に隣の部屋に入る。
そこには痛々しい姿で寝ているカール
青ざめて今にも倒れそうなリック
そしてリックを支えるローリがいた。


『カール……』
「あー……隣の部屋にいるよ」
「そうして。ありがとう」


3人を見ると泣いてしまいそうになったが
なんとか堪えてグレンと部屋を出る。
グレンは私は抱き寄せてくれる。

その時、車の音がした。


「だれだ?」
『シェーンよ!!リック!シェーンが戻って来た!』
「カールは!?」
「大丈夫だ、もちこたえている」
「……オーティスは?」


シェーンと一緒に器具を捜しに行った人だろうか?
下を向いたシェーンは黙って首を横に振る。
ハーシェルもマギーも複雑な表情を見せる


「パトリシアには言うな…手術後まで黙っているんだ」


ハーシェルは器具を受け取ると中へ…
リックとシェーンは熱いハグを交わした。
するとシェーンが話しだす。


「奴らがうじゃうじゃいた。
 弾が残り10発しかなくて…"援護するから先に行け"と
 彼に言われたから言われた通りに……
 振り返ると彼は……助けたかった…」


泣きだしそうな顔をするシェーンを抱きしめる。
シェーンも私を抱きしめた。

少しするとシェーンは私を離し、頭を撫でた。
気付くとマギーとグレンがいない…
オーティスはきっとマギーの知り合いだもの。
今はグレンに任せよう…


しばらくするとハーシェルが部屋から出てきた


「容態は安定している」
「あぁ、カール…っ!」
「言葉もない…」


リックはハーシェルにハグをし、ローリも目に涙をためている


「私も見つからない…パトリシアになんて言えば?」
「…君はカールの元へ。一緒に話そう…」


ハーシェルとリックはパトリシアの元へ…
彼女の泣き声が響き渡った。





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