25

「エリー、セブへのプレゼントなんだけど…」
『うん、リリーに任せるから探してきて』
「分かったわ。私に任せて!」


結局セブへのプレゼントが決まらず、
今日のホグズミードでリリーに探して来てもらうことにした。
そしてそのままセブに渡してもらうのだ。
(リリーと二人になれるチャンスよ!セブ!)
私は今度こそお留守番。ママとの約束を守るため。
前回はうっかり破ってしまったけど…


「じゃあまた夜にね。エリー」
「本当に行かないの?」
『うん、ママとの約束だから。リリーのことよろしくね』
「分かったわ。お土産買ってくるね」
『楽しみにしてるわ』


リリー達を見送る。
今日は一日ひとりかぁ…
さみしいなぁ…
そう思いながら雪を見つめていた。
セブと三人で雪だるまを作ったのが懐かしい……


「戻らねぇの?」
『……!?し、シリウス!?
 なんでいるの…?ホグズミードに行ったんじゃ…』
「今日はパス」
『えっ、そうなの?』
「あぁ。ホグワーツにいる。
 行こうと思えばいつでも行けるし」
『そう、なの?』
「それより今日何するか決まってるか?」
『えっ、決まってないけど…』
「とりあえず戻ろうぜ。寒いし」
『うん、そうだね』


シリウスと一緒に談話室に戻る道を歩く
すると突然シリウスが"必要の部屋に行こう"と
言い出したので、急きょ行き先を変えた。


『そういえば、ペティグリューは完成したの?』
「ああ。来月は一緒に行けるだろう」
『そう、良かった。リーマスに食べられなければいいけど(笑)』
「どうだろうな。小さいからな(笑)」
『私だってひとのみに出来ちゃうサイズだもの』


何度かペティグリューの変身姿を見たけど、
確かにとても小さなネズミだった。
捕まえるのには苦労しそうだけど、ペロッと食べれそう。
人狼って狩りはするのかな……


「なぁ」
『ん?』
「悪かったな…」
『……え?何が?』
「こないだ。俺のせいで迷惑かけちまって…」
『あぁ…リリーのこと?』
「あぁ。俺の不注意が招いた結果だ…」
『そんなこと。リリーも私も思ってないわ』
「あぁ。エバンズにもそう言われた」
『でしょ?だから気にしなくていいよ』
「でも…ごめん」
『うん、分かった。私こそごめんね。
 あの時シリウスが止めてくれなかったらって思うと
 自分が怖くなったの…ありがとう。止めてくれて…』
「あぁ…気持ち分かるから…」
『シリウスもあるの?我を忘れそうになった事』
「何回もある。カッと頭に血が上るとだめで…
 その度にジェームズやリーマスが止めてくれる」
『あー。なんか想像できるわね(笑)』
「はは、そうか(笑)」
『私達って…まだまだ子供ね』
「そうだな…」


いつの間にかシリウスが用意してくれていた紅茶を手に取る。
暖かいその紅茶を飲むと心がとっても落ち着いた。
私とシリウスは夕飯の時間までそこで二人で過ごした。

この時は夢にも思わなかった。
数日後、悪夢のような出来事が起こるだなんて…





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