――夕食会が始まり、御馳走に手を付け始める。

佐助君が全て作ったというその料理は絶品であった。

…あれ、前にもこんなことがあった気がする。

眉を顰め、記憶を辿っていると、空になっていた私の皿に料理を盛りながら佐助君は問いかけた。


「どうしたの、名前ちゃん。口に合わなかった?」

「いや、すごく美味しいんだけど、前にもこんなことあったなと思って。佐助君と友達になったのだってつい最近のことなのにおかしい話だよね。あ、気にしないでください!」


 皆の視線が一斉にこちらに向いたので、慌てて前言訂正を申し出る。

気のせいか、皆の視線が怖かった。

…お兄ちゃんの視線も。

私は佐助君に盛られた料理に手を付けると、隣にいた佐助君が至極真面目な声色で呟いた。


「おかしくなんかないさ…昔は毎日、俺様の料理を食べてたんだから。」


…やっぱりこの違和感は前世関連だったか。

私は自分の中の記憶が前世のものと混在しているような感覚を覚えて、混乱し始めた。

…さっきお兄ちゃんからの視線も佐助君や幸村さんからの視線と同じものを感じたんだけど、まさか……考えるのはやめておこう。







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