戦国無双短編 | ナノ
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「………」


何と答えようか三成が悩んでいると、紅蓮が自嘲気味に笑った。


「馬鹿ですよね、私」

「………何がだ」


何故突然、そんなことを言い出すのだろうか。


「三成さんにキスされて、浮かれてました」


悲しそうに笑う紅蓮が酷く綺麗だ。


「三成さんには、きっと美人な彼女さんがいるはずなのに。私なんかが相手にされるはずがないのに…」

















違う、そうではない。


好きなんだ
紅蓮が好きなのだ。











「私、帰りますね」


紅蓮が立ち上がり、ドアノブに手を掛けた瞬間。


三成はその愛しい身体を掻き抱いた。




「三成さん…?」

「違う…」


後ろから抱きすくめられているため、紅蓮は三成の表情を伺う事が出来ない。

だが、声色からして、何か酷く急いているのは理解できた。






…何に?

彼は一体、何を急いているのだろうか?

















「あ、の…」

「……紅蓮」


背中から温もりが離れた。

だが、肩は捕まれたまま。


三成に正面から顔を覗き込まれている状況である。



真剣そのもの。




「………好きだ」

「っ、え…」


頬を赤くしながらも、三成は紅蓮を見つめる。

そして再び、困惑している紅蓮を抱きしめた。


「俺は今、自惚れている」


三成は口を紅蓮の耳元に寄せ、囁く。


「お前は先程、俺にキスをされて浮かれていると言ったな」


今度は、三成の胸に頬を押し付けている紅蓮が赤くなる。



「…お前も、俺が好きか?」


恐る恐る呟かれる言葉。

その彼の様子があまりにも、いつもとは違うから。




自然に、微笑んだ。



「はい、好きです」



しばらく、互いの顔を見つめ合う。



そして、どちらからともなく。


二人は顔を近づけ、熱を共有した―――




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