×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -


いちばん



今は6月。なのに私は今から新しい学校で担任をやることに。
教員採用試験には合格したものの就職先がなかった。
だから、ちょうどこの婆裟羅学園の高等部三年B組の担任がいきなり産休に入ってしまったので、私、吉田叶架が担任に。
何でも妊娠に気付かなかったらしい。おかしいでしょ。

私が今いるのはその三年B組の教室の前。
チャイムが鳴り、HRの時間が始まったというのに教室はざわついている。

でも、ま、私が入ったらさすがに静かになるでしょ。


ガラッ


勢いよく扉を開けたのに、生徒は私を見た後でまた話し始めてしまった。

あれ、静かにならないぞ。

ひょっとして、新米だからって嘗められてるのかな?

「皆ぁー席に着いてー」


試しに言ってみたが、やはりシカトされる。このやろう問題児クラスなのかここは!?



私がため息を着いた瞬間鋭い声が響いた。


「貴様らはチャイムも新しい担任の声も聞こえぬのか」


窓際の席の、細身で美形で眼鏡を掛けた男の子が本を片手に呆れたようにそう言うと、生徒たちは静かになり席についた。

あの子にお礼を言いたくて座席表を見る。


毛利元就。


そっか、彼が学級委員長の元就くんだったのか。さすがだね。


.


   next

- 1/19 -

しおりを挿む