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ごばん




人気のない校舎裏にたどり着き、真田くんは私を下ろした。

「原因は、元就殿でござるな」

「…何で」

「二人三脚が終わった後の二人を見ていれば分かるでござる」

見られてたんだ。何だか情けないなぁ…

「…某は次の競技に出る故もう行かねばならぬ。叶架殿、クッキーありがたく頂戴いたす」

「ん、頑張ってね…あっ」

「いかがなされた?」

真田くんの手にあった、クッキーの袋をラッピングしていた赤いリボンを取って、真田くんの、珍しく下ろしてある髪を結んだ。

「これでよし。頑張ってね」

「ありがとうございまする!某頑張ってくるでござる!」

ものすごく喜んでくれてる。真田くん可愛いなぁ。
あどけない顔で笑いかけられ、私も自然と笑顔になった。

「ようやく笑ったでござるな」

「っえ」

「叶架殿には笑顔が似合うでござるよ」

そう言って真田くんは走っていった。まったく、普通に聞いたら口説き文句でしょ。


「…あ〜あ」


何だか疲れたなぁ。しばらくここで休もっかな。昼ご飯なんて食欲がないから食べられそうにないし。うん、ここは真田くんの好意に甘えよう。


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