×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


にばん


「Stop!待て叶架」


いきなり後ろから政宗くんに肩を掴まれた。

「なに?」

「予算が足りねェ」

政宗くんに手渡された紙は予算増額申請書だった。一体何に使うのかと尋ねると、刀を六本借りるのだと。
破格の値段で借りれるらしい。仕方ないな、これも思い出作りだと思い、私は受理した。

すると反対側から

「叶架殿!これも頼み申す!」

幸村くんが、政宗くん同様予算増額申請書をもってきた。
幸村くんは槍を二本借りるそうだ。最近はそういう武装が流行っているの?
とりあえずこちらも受理する。

「Thanks!」

「感謝するでござる!」


二人がとびきりの笑顔でお礼を言ってきた。可愛いなぁもう!…高校三年生の男子に可愛いは失礼かもしれないけれどね。




そして帰りのHRが終わり、元就くんに視線を向けてみると反らされた。そしてすぐに彼は帰ってしまった。

気のせいなんかじゃない。元就くんは私を避けている。
私、何かしたかな。



――ズキッ



胸が痛い。何だか酷く悲しい。
何で私はこんなにショックを受けているの?


原因はわからない。
ああ、何だか泣きそうだ。

私はすぐさま職員用のトイレに篭って静かに泣いた。

この深い悲しみの原因は分からぬまま――――


.


prev next

- 12/19 -

しおりを挿む