せかんど 仕事を終わらせた曹丕は、三成を連れて繁華街に出ていた。 夕方になってしまった。 思った以上に仕事が長引き、三成を待たせてしまった。 だから夕食を摂るため、曹丕は行きつけの居酒屋に足を運んだ。 メニューを見て、二人は同じ物を頼んだ。 これは全くの偶然。 たまたま同じものを食べたいと言ったのだ。 そして曹丕が酒を二人分頼もうとし、三成が憤慨して臍を曲げる。 怒った姿も可愛く思え、曹丕は三成の頬に口付けた。 すると慌てて頬を押さえ、睨んでくる。 ここが居酒屋だと忘れているようで。 それをたまたま目撃した店の店主が、慌てて視線を反らしたのだった。 腹ごしらえをし、店を出る。 「今日は帰るか?」 そう尋ねると、三成が顔を背けたまま、曹丕にとって嬉しい事を口に出した。 「…そこへ行く」 三成が指差したのは、ホテル。 曹丕が三成に視線を戻すと、上目遣いに睨まれながら 「責任を取れ」 そう言われた。 つまるところ、三成も健全な男なので、熱が収まっていなかったらしい。 それは曹丕にも言える事なのだが。 自分と同じなのだと分かり、曹丕は三成の手を取ってさっそうとホテルへ足を踏み入れた。 部屋を取る時、受付に奇異の目で見られたのは言うまでもない。 . 戻る |