やっと見つけた、愛しいあなた

01. まるで烈火のような

愛する人が死んだ。



突然の知らせに、最初は何を言われているのかわからなかった。


死んだ?


誰が?


知らせを聞いても、理解できずに脳内で言われた言葉を何度も反芻する。

“炎柱・煉獄杏寿郎は上弦の参との激戦ののち、死亡―――”



「…嘘、」

目の前でずっと私の様子を伺っていた鴉がその大きな嘴を開き、何かを言おうとした。
それを遮って、「嘘よ!」と叫んだ。
この鴉が虚偽の証言をするはずがない。そんなことはわかっていた。
開いた嘴から、再度肯定の言葉を発せられるのが怖かったのだ。
鴉は口を噤み、じっと私の顔を見た。

視界がみるみる滲んでいく。

脳裏にあの人の笑顔が浮かぶ。

――そんなはずはない、そんなはずは…。

頭ではそんなはずはないと必死で否定するのに、なぜだか涙が溢れてとまらない。
体が震え、嗚咽が出始める。

そんな私の様子を、真っ黒な鴉が見つめていた。






嘘だと言って、お願いだから
いつだって現実は残酷だ







「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -