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舞莉愛様に捧げます。
薫君の甘夢☆

初薫君にドキドキです・・



――――――――――――――――――――

―意地悪プリンセス―


沖「ほら、早くここも掃除しておいて。ほんとノロマだよね。」



山崎「こちらもまだ汚れている。」



薫「ごめんなさい・・お義母様。お義姉さま。」



沖「さ、そろそろお城の舞踏会にいくよ。」



山崎「はい。お母様。」



そう言うと沖田と山崎は教室からはけていく。

一人残された薫が小さく呟いた。



薫「あぁ。私も舞踏会に行きたい。王子様に会いたい。」


するとトコトコと平助が近付いてきた。


平「泣くなよ、シンデレラ。魔法かけてあげるからさ!」


平助が持っていた棒をふると薫の服装が変わる・・予定。



 「はい、カットー!」


声をあげると廊下に出て行っていた総司や山崎君も戻ってきた。
私はみんなのもとへ向かう。



 「みんなさ・・もう少し感情こめてくれる?棒読みだし喋り方が女の子っぽくない。」



沖「そんなこと言われても。なんで僕がシンデレラの継母なわけ?」



山崎「俺も・・姉役というのは・・。」



 「そんなこと言われても・・くじじゃん!」



平「俺は魔法使いってだけだから喋り方自由でいいじゃん!」



 「魔法使いで男の子イメージする人はあんまりいないと思うけど。ちゃんと可愛く喋って。」



平「えぇーーー!?」



 「あと、薫。薫ももう少し可愛くしてね。黙ってればめちゃめちゃ可愛いのに口を開くとトゲトゲしいんだから。」



薫「じゃあセリフなしでやろうか?もとはといえば誰の為に・・」



 「すみませんでした!善処してください!」




土下座する勢いで薫に謝り倒した。
本気で謝っている私を見て思いが伝わったのか、薫は小さくため息をついて次はどこのシーン?と聞いてくれた。



 「あ、次は王子様と踊るとこ。斎藤くーん!!!」



くるっと後ろを見るとクラスメイトが何人か準備を進めていた。
その中に斎藤君もいて呼びかけに気がつくとこちらへ来てくれた。



そう。


私達は文化祭準備の真っ最中。
明日はうちの高校の文化祭で、私達のクラスは劇をやることになった。

しかもベタに「シンデレラ」

劇に登場する以外の生徒は衣装や音楽、照明などを担当し黙々と教室の後ろの方で作業をしていた。



斎「よんだか?名字。」


 「あ。うん。王子様と踊るシーンの練習するから。大丈夫?」


斎「了解した。」


そしてスタートの合図で練習が始まった。








本当だったら。

ここでメガホンもっているのが薫で。

今斎藤君と踊っているのは私のはずだった。

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