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風泡りのさやか様へ捧げます。
お誕生日おめでとう話♪
Berry×Berryの水城様との共同作品☆
一つのお話を二つの視点で書きました。
私は夢主と土方さんを応援するみんなの奮闘記を書かせていただきました!

水城様のお話はtreasureにおいてあります。





お誕生日を土方さんにお祝いさせよう!
これは二人を見守り隊のお話。

早く素直になっちゃえばいいのに。
ああ、もう苛々するなあ。
俺達は見守ることしかできぬ。
土方さんも意外と不器用だからな。



さ、スタート。


―――――――――――――――――――――


昼休憩も残り十分。
眠ったり、ネットを見たり、同僚と話したり…それぞれが自由に過ごしている空間で僕はため息をついた。



―気付いているのは周りだけ Another Story―

 「はぁ…。」


 「どうした?総司。」


 「どうしたもこうしたもないよ。」


ゴンッと少し強めにコップをデスクに置くと一君は眉を顰めて僕を見た。
昼食を食べ終わると僕と一君は自分たちのデスクでたわいもない会話をして過ごすのが日課だ。同じ課で隣の席だしね。


 「…何を苛々しているのだ。」


 「あれだよ。あれ。」


僕の視線の先を追うように一君の目が動く。
僕達の席より窓側にある課長席。


 「土方さんがどうかしたのか?」


 「正しくは土方さんと、」


途中で言葉を止めた僕だったけど最後まで言わなくてもわかったみたいだ。
土方さんの席にコーヒーを持ってきたのは名前ちゃんだった。
彼女からコーヒーを受け取ると土方さんは多分何か一言お礼を言って一口飲んでいる。


 「…名前がどうしたのだ。」


 「いや、名前ちゃんは何も悪くない…あ、いやそうとも言い切れないけど。」


 「あんたはさっきから何を言いたいのだ。」


 「だからー。」


僕の言いたいことは一ミリも伝わらないらしい。一君まで僕のイライラが伝染したのか、声が低くなってきている。


 「何々!?何の話だよー。」


 「どうした、お前ら。二人して眉間に皺よってんぞ。上司そっくりだな。」


突然声をかけてきたのは隣の課の平助と左之さんだった。


 「何の話かは俺にもわからん。」


 「は?何だよ、それ。」


 「ちょっと左之さん。上司そっくりって取り消してよ。すこぶる気分が悪いから。」


 「ははは。だってよ、お前ら二人とも同じ顔してたぜ?何かあったのか?トラブルなら手伝うが。」



僕達の近くまで椅子を引っ張ってきた二人は会話に加わるつもりらしい。
まあいいか。別に聞かれて困るようなものじゃない。


 「で、結局総司は何が言いたいのだ。」


 「土方さんと名前ちゃんについてだよ。」


 「へ?土方さんと名前??あの二人って付き合ってるんだっけ?」


 「いや、まだ付き合ってないはずだぜ平助。まあ誰がどう見てもお互いのこと意識してるんだけどな。」


苦笑いを浮かべる左之さんに僕はまたため息をついた。

そうだよ。僕のイライラの原因はまさにそれ。


 「見ててイライラしない?いい加減くっつけばいいのにさ。同じ課で毎日見てるこっちの身になってほしいんだけど。」

 「何で総司がそんなにイライラするんだよー。あ!もしかして名前のこと好…いってえええ!!!」


 「うるさいよ平助。もっと小さくしてあげようか?持ち運びできるサイズにしてあげるよ。」


 「いててて!やめろよー!総司!」


 「僕には可愛い可愛い彼女がいるの知ってるよね?あ、こんな小さい頭にはそんな記憶する容量がないのかな?」


グイグイと平助の頭を上から押しつぶす。
あまり騒がないでよ、みんなこっち見てるじゃない。


 「やめとけ、総司。まあお前の気持ちもわからなくはねえな。じれったいというかなんというか。」


左之さんに言われて平助の頭から手を離す。
ちょっと涙目で一君に助けを求めないでよ、僕が苛めたみたいじゃない。


 「さすが左之さん。その通りだよ。あの普段は鬼のような土方さんが名前ちゃんを前にすると照れたりするのが気持ち悪くて仕事にならない。」


 「総司。もう少しマシな言い方はできぬのか。」


 「ってか総司はさ、あの二人をくっつけたいんだろ?なんだかんだ土方さん思いだよな。」


 「平助。もう一回つぶされたいの?一歩も歩いてないのに忘れたなんてニワトリ以下の脳味噌なの?」


 「お前今日俺にきつくないか!?」


 「おら、お前ら静かにしろよ。土方さんこっち見てんぞ。」


ちらりと土方さんの方を見れば機嫌悪そうにこっちを見ていた。名前ちゃんも一緒だ。
別に昼休みに少し騒いだっていいじゃない。
そもそも土方さんが原因なんだし。


 「ま、あの二人は放っておいたらしばらくあのままだろうな。土方さんはあれだし、名前も意外と気が強いから素っ気なくしちゃいそうだしよ。」


その通りだよ。左之さん。
もうそこまでわかってるならどうにかしてよ。


僕の恨めしい視線を感じたのか、左之さんは少し考えるように視線を落とすと何か思いついたのか小さい声で僕達に告げた。


 「…よし。俺達でくっつけちまうか。」


 「え?」


 「えー?左之さん、どうするんだよ。」


 「左之、人の恋路を邪魔するものは…。」


 「邪魔じゃねえよ、斎藤。応援してやるんだ。」


左之さんがニッと女子社員が気絶しそうな笑顔を見せると昼休憩終了のチャイムがなった。
僕達は夜に飲みに行く約束をして仕事に戻った。


 

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