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 「総司!?」


沖「ん?」


 「あの!恥ずかしいから!」


なんで総司の膝の上に座らなきゃいけないの!
恥ずかしすぎて顔に熱が集まっていくのがわかってしまう。

だって、私総司のこと…。



沖「王様の命令はね、今から僕が言う質問に正直に答えること。」


 「質問?」


沖「名前の好きな人は誰?」


 「っ!!??」


好きな人に好きな人を聞かれるなんて。
こんなことある?
何より総司の顔が近すぎて真っすぐ見られない。


沖「あれ?答えられないの?」


 「こっ答えられないよ!」


沖「じゃあ質問をかえてあげるよ。名前は僕のこと好き?」


 「ええ!?」


にこにこと微笑んでいる総司の意図がわからない。いや、これは私の気持ちはとっくに気付かれているんだろうけど。
どうしてわざわざ聞くかな!?


 「あの…えーっと…。」


沖「これも答えられないの?しょうがないなあ。」


ふわりと頬に総司の手が触れた。
優しく包まれるように顔を総司の方へ向けられる。



沖「僕は名前が好きだよ。ねえ、名前は僕のこと好き?」



なんだそれ。
なんだそれー!?

ずるいずるいずるり…あ、心の中で噛んだ。


総司の目にうつる自分の顔が赤過ぎて困った。
声がでなくてぱくぱくと口を動かすだけだ。

そんな私を見ておもしろかったのか総司がクスクス笑ってる。


沖「ねえ、名前。答えは聞かなくてもわかるんだけど、ちゃんと君の口から聞きたいんだよね。」


 「私は…。」


答えは聞かなくてもわかるとかこの自信家め!
だけど好きだ。


 「総司が好き…です。」


沖「よく言えました。」


二コりと笑うと総司が私のおでこにキスをした。



 「っーーー!!!!」



限界です。
お願いします、どうか一度離してください。


擦れた声がなんとか喉から出てきたというのに、総司は笑ったまま私を離すどころかきつく抱きしめた。



沖「だめだよ。あと少しでみんな戻ってきちゃうからそれまではくっついてるの。」


 「みっみんなに見られたら…。」


沖「いいじゃない。見せてあげないとあの人達諦めが悪いから。」


 「何のこと?」


沖「ちゃんと僕のものって理解させてあげないといけないんだよ。ねえ、名前。」


 「ん?」


沖「次は名前がキスして。」


 「えええ!!!」


沖「ほら、はやく。」


 「無理っ!無理!」


沖「…傷つくなあ。」


 「違っ!嫌とかじゃなくて恥ずかしくて…。」


沖「ほら、命令だよ、命令。」


 「王様の命令は一度だけだよ!!」


沖「王様?違うよ。」


――彼氏の命令は絶対だよ?


耳元におりてきた言葉に頭がくらくらする。


私はどうやらとんでもない人と恋人同士になってしまったようだ。
微笑んでいる総司がバタバタと部屋に近づいてくる足音に気がついて私をさらに抱きしめたのはこのすぐ後のこと。


みんなの叫び声と怒鳴り声に耳と目を塞いでじっとするしかできなかったのは致し方ないことだと思う。






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