かえで様へ捧げます☆
28282キリ番御礼!
ミッション:斎藤さんにヤキモチ妬かれたい
夢主トリップ設定。
真面目で奥手な一君がヤキモチ?
大丈夫なお嬢様だけどうぞ↓↓
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人はヤキモチを妬かないものでしょうか?
私の大好きな人は。
ちっとも妬いてくれません。
―素直になれたら―
「どう思います??」
土「どう思います?じゃねえ!!今大事な話してんだよ!出て行け!!」
「こわっ!土方さん怖い!」
山「まあまあ土方君。そう大きな声を出さなくても…。」
土「山南さんはなんでこいつに甘いんだ!」
山「君に言われたくないですよ。この子をここで預かろうと言いだしたのは君じゃないですか。」
土「…未来からきたとかいう人間を外に放置しておくわけにいかねえだろうが。」
山南さんに相談をしようと部屋に来たら土方さんが先に来ていたようで。
出て行けという土方さんの言葉を華麗にスルーして私は山南さんに相談を始めた。
何故か薄桜鬼の世界にトリップしてしまった私はなんとか屯所に置いてもらえることになり、彼らと一緒に生活することができた。
そして。
大好きな大好きな斎藤さんと恋仲になることができたんです!
え?
どこまで進んだかって?
その…えっと…。
キ…キスしちゃいました!ついこの間!
きゃあ!言わせないでください!
土「…聞いてねえ。きすってなんだ。」
「きゃあ!土方さんエスパーですか!?」
山「えすぱーとは…?」
「あ…あはは。私声に出てました?」
土「お前が考えることだ。ろくでもない内容だろうが…。」
「ひどい。」
山「で、相談というのは…。」
「あの、斎藤さんってあまり感情を表に出すことがないじゃないですか。その…一度ぐらい妬いてほしいです。ヤキモチ。」
土「はあ?斎藤が妬く??」
土方さんが心底呆れたような表情で私を見た。
呆れたというより最早哀れみの目だ。
哀れみ。
山「ふふふ、なるほど。斎藤君に妬いてもらうのはとても難しそうですね。」
「ですよね。そもそも私なんかじゃ妬くこともないんでしょうけど。斎藤さん以外興味ないし、他の人に好かれているとかもないですし。」
土・山「「…。」」(鈍い。)
「どうかしました?」
山「いえ。そうですね、例えば沖田君や藤堂君、原田君と二人で話すことはありませんか?」
「ありますけど。」
土「その時、斎藤が来ることはないのか?」
「ありますよ。会話に入られますね。だけど普通です。」
俺の女に手を出すな!とか俺の名前と二人きりになるな!とか…。
ああ、言われたい。
ありえないですけどね。
そんなこと言ったらキャラ崩壊もいいとこです。
そもそも他のみんなが私に手を出すわけもないし。
「私が他の人といたって。多分何も思っていないと思います…。」
山「そんなことありませんよ。きっと他の人と二人でいたら斎藤君も良い気分ではないでしょう。」
「でも、そんなこと一言も…。」
土「まあ…あいつわかり辛いところがあるからな。」
山「名前さん。」
山南さんは私の名前を呼ぶと近くの机の引き出しから小さな包みを取り出した。
薬包紙だから多分薬だろう。
白い粉が入っているみたいだった。
「えっと…山南さん?」
山「まだ研究段階なのですが、これは自白剤です。」
土「自白剤だあ?」
山「自分の気持ちや問いかけられたことを全部素直に話してしまうんです。」
そっ…そんなすごい薬が!?
でもまあ変若水がある世界だもんね。
それぐらいあるのかも!
土「おいおい、聞いてねえぞ。」
山「まだ研究中ですので。多分効力も弱く四半刻程で切れてしまうと思います。」
「でも何でこんなもの…。」
山「この研究がうまくいけば暴力なしで自白させることができますからね。」
ああ。なるほど。
拷問する必要がなくなるんだ!
素敵!山南さん!
「残念でしたね、土方さん。」
土方さん=拷問の方程式が頭にある私はついそう言ってしまう。
土「…お前の中の俺に対する認識をもう一度確認する必要がありそうだな、ああ?お前が飲むか?この薬。」
「け…けっこうですー!!」
私は薬を受け取ると台所へ向かって走り出した。
愛しの斎藤さんへお茶を入れるため。
愛の薬がたっぷりと入ったお茶を…。
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