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晩御飯をすませ私たちはお茶を飲みながらソファにのんびりと座っていた。
一さんは経済情報誌や文庫本を読んでいることが多かったけど、最近はもっぱら…


斎「…なるほど、この時期は背中や腰に痛みがでてくることがあるのか…。子供は…いろいろな動きを始める…。」



た○ごクラブが愛読書です。



斎「名前、妊婦でも飲めるコーヒーを今度買ってこよう。最近飲んでいないだろう?」


 「はい。久しぶりに一さんが淹れたコーヒーが飲みたいです。」


斎「明日にでも会社帰りに買ってくる。」


私よりおそらく妊婦さんの情報を持っていると思う。
真剣にたま○クラブを読んでいる一さんを見たら沖田さんは大笑いするんじゃないんかな?



斎「寒くないか?名前。」


 「はい。一さんが横に居るから大丈夫ですよ。」


斎「お茶のおかわりは…。」


 「大丈夫ですって一さん。一さんは私を甘やかしすぎですよ。」


斎「そんなつもりはないのだが…。」


困ったように頭をかく一さんにおもわず笑ってしまう。
私が笑ったのがお腹に響いたのか。
自分の内側から振動を感じた。



 「あ、今動きましたよ。この子。」


斎「本当か?」


一さんが雑誌をテーブルに置き、私のお腹に手を当てる。
小さな振動が伝わったのか、一さんの顔が綻んだ。


 「男の子かなあ…女の子かなあ…。」


斎「次の検査の時にわかるだろうか?」


 「そうですね、そろそろわかるかもしれません。一さんはどっちがいいですか?」


斎「どちらでも元気に産まれてきてくれれば問題ない。」


 「そうですね。私は一さんにそっくりな子がいいです!」


斎「何故?」


きょとんとした一さんにお腹をさすりながら答える。


 「一さんに似たら女の子も美人だろうし、男の子もしっかりしててかっこいいと思いますし。」


斎「俺は…自分に似ている息子は勘弁してほしいものだ。」


 「どうして?」


斎「俺に似るということは、きっと…お前をとりあうことになるだろう?」


 「え???」



少しだけ思考が停止した。
だって一さん、真顔で言うから。

男の子は確かに小さい頃は甘えるかもしれないけれど、まさかとりあうなんてこと。

だけどそれ、すごい幸せ!!!


 「二人でとりあってくれるんですか?」


斎「ああ。だが譲る気はない。」


 「ふふっ…息子に譲ってくださいよ。お父さん。」


斎「それはできぬ相談だ。」


そんなことを真面目に言うんだもん。
おかしくて笑ってしまった。
すると一さんは何故笑うと聞いてくるから。
さらに笑ってしまう。


そんな私を黙らせるように一さんがキスをする。
ふんわり優しい口づけに心がほんわかしてきた。



ああ。
こんなに幸せでいいのでしょうか?



 「毎日家族みんな笑って過ごしていきましょうね。」


斎「ああ。努力しよう。」



この人で良かった。
この人と出会えて良かった。


一さんといるだけで私の毎日はきらきらひかっているから。


これからも二人で、ううん、この新しい命と三人で。
ゆっくり笑って歩いていきましょうね?


愛してます、一さん。



斎「愛している。名前。」


 「…心がよめるんですか?一さん。」


斎「??」



はてなマークを頭上に浮かべる一さんの胸に飛び込んだ。
優しく頭を撫でられ、私はそのまま眠りについてしまったのでした。







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