shi様に捧げます。
☆相互記念感謝話☆
ミッション:一君の学パロ。
甘でも切でも何でもOKと仰っていただいたらこんなことになりましたorz
一君とは幼馴染。
小さい頃からいつも一緒!高校も一緒!
そしてやっぱり一君は風紀委員!
大丈夫なお嬢様はどうぞ!
―――――――――――――――――――――
気付いた時には隣にいて。
一緒にいるのは当たり前。
好きなものも嫌いなものも、
何でも知っている間柄なのに。
どうして私の気持ちには気付いてくれないんだろう!?
―変わらない関係―
私の幼なじみは高校ではちょっとした有名人だ。
毎朝、校門に立っているものだから、そりゃいやでも目立つけど。
それだけじゃない。
綺麗な顔立ち、立ち姿。必要以上の会話もないクールさ。
んでもって頭もよくて剣道も強いときたもんだ。
これでもてないわけがない。
そんなの誰だって好きになる。当たり前だ。
物心つくころから一とは一緒で、そして大好きだった。いや、過去形ではない、現在進行形で大好きだ。
幼なじみという立ち位置が私を何よりも彼の近くにいさせてくれるけど。
それ故にいるのが当たり前の兄弟のような存在と思われても仕方がない状況を作り出していた。
一はあまり他の女の子と話すほうじゃない。
必要以上に近づかないし、用がある時だけ会話をし、場合によっては私を介して要件を告げるほどだった。
おかげさまで一部の女子からは妬まれているみたいだけどそんなこと気にしていたら彼の幼なじみは務まらない。
そう。
私は周りの子より一歩前に進めているとポジティブに考えて毎日毎日どうしたら一に好きになってもらえるかを考えていた。
苦手な勉強や運動を頑張ってみたり。
家の手伝いをしてみたり。
一と一緒に風紀委員の天敵、沖田君をお説教してみたり…。
だけど一が変わることはない。
いつも登下校は一緒だけど淡々と会話をし、淡々と別れるのだ。
もうどうしていいかわからない。
わからないんです!!!
「わからないの!左之兄!!!」
原「…お前がわからないのは斎藤の心か、それともその答案の答えか。」
「どっちもー。」
化学のテストの答案をベシッと机に叩きつけながら叫ぶ私の頭を左之兄は苦笑いを浮かべた。
左之兄は近所に住んでいて私も一も小さい頃から知っていた。
そして今は私達の高校の体育教師をしている。
体育館の横にある準備室でお昼を食べていた左之兄を突撃するのは珍しいことではない。
だって私の恋心の唯一の理解者だもん。
原「とりあえず…化学、相変わらずだな。」
「うーやっぱり苦手だよ。」
原「だけど、着実に点数上がってんだろ。頑張ったな。」
「えへへ。」
左之兄がよしよしと頭を撫でてくれるのも小さい頃からの癖みたいなものだろう。
そしてそれが心地いい。
原「こんなに勉強を頑張ってるのも恋の力だもんな。羨ましい限りだよ。」
「こっ…恋とか!恥ずかしいこと言わないで!」
原「事実だろ?」
ニヤりと口角を上げる左之兄は大人っぽくて。どうしたって口では敵わない。
むっと唇を尖らせて左之兄の隣の椅子に座った。
原「お前の気持ちはちゃんと伝わるさ。」
「そうかな…。一は私じゃなくてふっと現れた可愛い子とくっついちゃうんじゃないかって毎日思っちゃうよ。」
原「おいおい弱気だな。」
「だって。一すごくもてるもん。可愛い子が来たら悪い気する男子なんていないよ。」
原「まあそれはそうだが。名前も綺麗になったぞ。」
「ええ!?」
原「何でそんなに驚くんだよ。」
だって。
あの左之兄だよ。
女子生徒からきゃーきゃー言われて。
大学生の時は綺麗なお姉さんが周りに集まってきていたあの左之兄!
目は肥えているはずなのに…。
原「いろんな奴を見てきたからこそ言えるんだよ。お前は可愛くなったぞ。」
一瞬。
ちらりと左之兄の視線が動いた気がした。
だけどすぐに私を真っすぐ見ていて。
原「気がつかない馬鹿野郎は放っておいて俺んとこくるか?」
「え??」
頭にあった手がふわりと頬に移動した瞬間。
何故か私の頭に浮かんだのは一の顔だった。
ああ、この温もりが一だったらなんて。
そして、ドアがバタンと大きな音を立てて開いた。
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