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斎「・・・副長。」



部屋の外に斎藤が立っていた。
ふすまは開けっぱなし。通れば中は丸見えだ。



土(さらに見られたくないやつに見られた。)





斎藤は無言のまま部屋に入りふすまをしめる。





斎「・・・・。」

沖「・・・・。」

土「・・・・。」


さらに続く沈黙。



斎「総司。」


沖「何?一君。」


斎「・・・そういうことはふすまを閉じてしろ。」


土(違うだろ!!!!)


沖「あはは。ごめんごめん。でも土方さんすごい綺麗でしょ?」


土「むー!!(斎藤!縄とけ!)」


斎「・・・・・。あぁ。」





――あぁ。

こいつ今そう言いやがったか?




土「!?」


沖「あれ?もしかして一君も混ざりたい?いいよ、僕は別に。」



土(冗談だろ。斎藤がそんなこと言うわけ・・)


静かに斎藤が近付く。


斎「副長。失礼します。」


真顔でそう言うと斎藤は自分の手ぬぐいを出し、土方に目隠しをする。



一気に暗闇が訪れた。



沖「へぇ。一君そういうの好きなの?」

斎「総司には負けるがな。≪どえす≫というのだろう?」

沖「一君もそうなんじゃないの?」



何楽しそうに会話してやがる!
意味がわからねぇ!
本当に何がどうなってんだ!!!


土「むー!むー!(総司!斎藤!いい加減にしやがれ!)」

沖「もう何言ってるかわからないですよ。土方さん。仕方ないからこれとってあげますね。」



やっと口だけ解放された。


土「てめぇら、なんのつもりだ!」


沖「なんのって・・。僕たちは土方さんが好きだからこういうことしてるんですよ。ね、一君。」


斎「・・げほっ。そ・・そうです。」


沖「土方さんがお化粧して綺麗になったから、我慢できなくなったっていうか。」


斎「すみません、副長。」



目が使えないため二人の表情は見えないが近くにいることだけはわかる。
そして、その気配が近付いていることも。


沖「おとなしくしててくださいねー土方さん♪」


斎「副長・・。」


土「てめぇら!いい加減に・・。」


すっと頬に手が触れた。
どちらの手かはわからないが、全身に寒気がくる。


土「・・っ。やめろ!とにかく目隠しとれ!」


沖「見たいんですか?」


土「っ!さわんな!」


今度は首筋を指がなでた。


沖「土方さんがどうしても見たいっていうならいいですけどー。余計に恥ずかしいと思いますよ?」



土「馬鹿!やめろ!」



沖「やめてください・・でしょ?土方さん。」



土(こいつこんな時まで馬鹿にしやがって!)



斎「・・総司。その辺にしておけ。」


沖「ちぇー。一君は土方さんに甘いよねー。」


斎「副長。目隠し外したほうがよろしいですか?」


土「とれ!」


斎「・・外します。」


そう言って静かに目隠しが外された。
一気に明るくなる世界。





目の前には。

信じられない光景が広がっていた。

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