沖「土方さん?・・・何おもしろいことしてるんですか?」
土(誰でもいいとは言ったが・・一番来てほしくない奴が来た!!!!!)
土方の叫びに一番に気がついたのは総司だった。
手足を縛られている状態の土方にいつになく笑顔だ。
沖「へぇ。珍しいものが見られたな〜。土方さん、そういう趣味なんですか?」
土「馬鹿なこと言ってるんじゃねぇ!早くこの縄とけ!山崎と平助を追いかけろ!!!」
沖「平助?山崎君?」
土「あいつら・・間者だったんだ。」
沖「本気で言ってるんですか?」
土「冗談にきこえるか?」
沖「・・この状況が全部冗談に見えますけど。」
土「ちっ・・。早く縄とけ!逃げられるだろ!」
沖「えー。もったいないなぁ。名前ちゃんに≪かめら≫借りてきていいですか?この姿≪れあ≫なので。」
土「ふざけてんじゃねぇ!」
名前がきてから幹部はメキメキと現代語と機械の名前を覚えていった。
総司のお気に入りは≪かめら≫らしい。
沖「やだなぁ。土方さん。≪まじ≫ですよ。」
そう言うと総司は土方の首に手を添えた。
土「何しやがる。」
沖「土方さんって、肌綺麗ですよねー。」
土「・・・・・・・・・・・。」
沖「顔も整ってますけど、化粧とかしてみます?そこらへんの女の子より綺麗になれますよ、きっと。」
言うや否や総司が化粧道具を取り出した。
見てすぐにわかるが名前の私物だ。
この時代のものじゃない。
土「てめぇなんでそんなもん持ってやがる!いつまでもふざけてんな!一刻をあらそう事態なんだぞ!!!」
沖「はーい。静かにしてくださいね。大丈夫ですよ。あの二人はもう別の人が追ってますから。」
土「別・・?おい!総司!ちょっとま・・。」
――― 一刻ほど経過。
沖「うわ・・思ったより綺麗になりましたよ。土方さん。」
土「総司。どういうつもりだ。」
眉間の皺は相変わらずだが、もとが美男なだけにとんでもない美女ができあがった。
ご丁寧に紅まで塗られている。
沖「島原行けそうですよ。土方さん。あーあ。ほんと綺麗すぎて・・。どうしよっかなー?」
総司がさらに笑顔になる。
この顔になるときはろくなことがない、それを土方は経験上痛いほどわかっていた。
土(≪かめら≫ってやつでとられてばらまかれるのか・・。それとも・・。こいつはどれだけ俺の弱み握るつもりだ!)
沖「とりあえず、土方さん。」
笑顔の種類が変わった。
沖「食べていいですか?」
土「は?」
沖「とりあえず脱がしますね。」
土「・・・はぁぁぁあ!?」
沖「ちょっと、そんな低い声ださないでくださいよ。≪むーど≫ないなぁ。」
土「ちょっと待て!てめぇ何を・・。」
沖「土方さん、綺麗だし。僕土方さんのこと好きだし。」
土「その好きって言うのは・・。」
沖「え?好きですけど。」
さらに笑顔。
なんだこれ。
夢か?
そうか。全部夢なのか?
沖「夢じゃないですよ。ほら。」
土「いってぇ!」
総司に思い切り頬をつねられた。
ってかなんでてめぇは心の声がきこえてやがる!
土「そんな趣味俺にはねぇ!」
沖「やだなぁ。土方さんにその趣味があろうがなかろうが関係ないでしょ。この状況じゃ。」
土「ま・・待て!落ち着け!やめろ総司!」
沖「落ち着くのは土方さんでしょ。静かにしてもらえません?」
そう言うと総司はてぬぐいを口につっこんだ。
沖「せっかく綺麗にしたのに台無しですよ。でもまぁ、僕としてはこういうほうが好きですけど。」
土「むーーー!(総司!!!)」
さらに助けを呼びたい。
が。
こんな姿を誰かに見られたら・・。
俺はいったいどうなる!?
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