コウ様に捧げます☆
お題は斎藤さんに誕生日を祝ってもらう&斎藤さんを降らせる!
うまく書けるか不安ですが・・どうぞ!
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―君に逢えたら―
「ごめんね!本当に・・ゴホッゴホッ。」
「大丈夫だよ!家族に祝ってもらうから。早く風邪治してね。」
「うん・・。治したら改めてお祝いするね。」
はぁと小さく息を吐いてそのままベッドに転がった。
今日は私の誕生日。
友達と出かける予定だったけれど、その友達がまさかの体調不良。
まぁこればかりは仕方ない。
夜はどうせ家族に祝ってもらう予定だったし。
「あ、お母さんに出かけないって言ってこよ・・。」
体を起こし、一階へ降りた。
お母さんは台所で忙しそうに動き回っている。多分今日の晩御飯とケーキの準備だ。
「お母さん、私今日出かけないから。」
冷蔵庫からお茶を取り出し、グラスに注いでいく。
お母さんはこちらを見ることなく、目の前のスポンジに夢中のようで。
「あら、そうなの?じゃあ晩御飯早めにしようか。」
「うん。」
「お父さんも早く帰ってくるみたいだし。それにしても。」
「?」
やっと顔をあげてこちらを向いた。
何よ、その憐みの目は。
「あんたも誕生日祝ってくれる男の子ぐらいいないの?」
「うるさいなー。」
「あ、そういえば。今日お隣引っ越してくるわよ。」
「隣?あぁ、新しいおうち建ててたね。ついにくるんだ。」
「さっき外でお隣の奥さんに会ってね。後で挨拶にきますって。だからあんたも部屋着じゃなくて着替えておきなさい。」
「はーい。」
お茶を飲みほし、部屋に戻った。
「あ、忘れないうちに着替えるか。」
何着よう。
どうせほとんど部屋にいるし楽な服がいいな。あ、ロングスカートとTシャツでいっか。
着替えるとすぐにベッドに転がる。
あ、服にしわつくかなとか一瞬考えたけどなかったことにする。
「あーあ。こんな誕生日ってないよね。」
ゴロンと転がり、枕元にあるゲームに手を伸ばした。
「うー斎藤さんかっこいいな・・。」
液晶の向こうに斎藤さん。
ちょっとこの液晶わって出てきてくれないかな。
「あ、でも降ってきてくれないかな〜。」
そう、天空の城○ピュタのように。
ってなんで私が受け止める側になってんだ。
いやでも斎藤さんがふってくるなら全力で受け止めます。
目を閉じて想像する。
ふわりと綺麗な黒髪なびかせて。
あの碧い瞳に見つめられたら。
斎藤さんに逢えたら・・。
それだけで素敵な誕生日なのに。
目を開けたら現実ですよ。
どうせ・・。
どうせ・・?
あれ?
目の前に広がるのは。
見覚えのあるようでないような街並み。
京都?
何これ。
私、想像力こんなに豊かだった?
いや、目を閉じて。
もう一度開けたら見覚えのある部屋・・。
あれ?何度瞬きしても。
目の前の景色は変わらなかった。
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