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平「んっ・・・・やべ・・寝てた。」



いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
平助は目をこすりながら起き上った。



平「おーい。名前。そろそろ夕餉の時間・・・・・って!あれ?!」




 「んんーもう食べられない・・。」




平「おい!おい名前!!起きろって!」




 「だから食べられないって・・。」




平「寝ぼけてんじゃねぇよ!まだ飯食ってないってそうじゃなくて!!!!」



平助がむりやり名前を起こした。




平「ここ・・どこだよ!?」



目の前には慌てている平す犬。
周りを見ると確かに見覚えのないようなあるような畳の部屋。



 「んー。ここは・・・。」



平「俺達いつの間にか寝てたみたいで・・。でもさっきまでお前の部屋だったよな?!」



 「落ち着け平す犬。」



平「だから犬じゃねぇ!」




 「とりあえず・・手を放してくれまいか?」




平「え?・・・わっ///わりぃ。」



焦っていた平助は思い切り名前の手を握りしめていた。


 

 「あと、その眼鏡はどうしたの?」




平「え?・・あ、ほんとだ。なんで俺眼鏡なんかしてるんだ?でも名前。お前もそんな髪型だったか?」




 「あれ、二つに結んでなんてなかったんだけど。それにしてもここ、どこかで見たことあるような・・。」




畳の部屋。
本棚。
勉強机。
そして押入れ。





 「あぁ!!!!」



平「ど・・どうしたんだよ?」




 「のび太の部屋?」




平「へ?」



 「さっきまで見てたじゃん。ドラえもんの。」




平「まぁ言われてみれば似てるような・・。」



 「ということはまさか♪」



名前は立ちあがり迷うことなく押入れに向かう。



 「ドラえもーん!!!!!」




―――スパーン!




押入れは空だった。




 「あれ?」



平「いないみたいだな。」



 「ていうか・・これどういうことなんだろ。どうする?」



平「どうするって言っても。」



いまいち状況が飲みこめず二人で立ちつくしていると階段を上ってくる音が聞こえた。




 「誰かくる・・。」



――ガラッ



土「こらのび太、宿題やったのか。」




主・平「「・・・・・・・・・・・。」」




眼鏡土方参上。




土「・・きいてんのか?」




 「くっ・・これ・・ママってことなのかなー。」



平「土方さんが・・?母親・・?ぶっ!!」




 「くくくっ・・のび太のママって玉子って言うんだよ。豊玉だから?豊玉だからかなぁ??」



平「名前・・・俺・・わ・・笑いが・・。」




主・平「「ぎゃはははははははは!!!!」」





土「二人とも何笑ってやがる!!!!!」




 「ママなのに口調は土方さんのまんまってひどすぎる!!!!!あはははは!」



平「男なんか女なんかよくわかんねぇよ!ははははは!」




息ができないぐらい笑い続けた二人が次に感じたのは殺気だった。



平「あ・・土方さん?」



 「いや、玉子さん?」



土「二人とも、宿題やったかきいてんだよ。」




口調こそいつも通りだが確実にツノが生えていそうな表情だった。
玉子だろうと豊玉だろうと鬼になるのは変わらない。




主・平「「ぎゃぁぁぁぁ!!!!」」




二人は土方の横をすり抜けるようにして階段を走り抜け玄関に向かった。




土「こらぁ!待て!!!!!!」



 「に・・逃げなきゃ!」


置いてあった靴を適当にはいて二人は外へ飛び出した。

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