「じゃあ・・手、つないでいいですか?」
斎「手・・?何故?」
「つなぎたいんですよ。」
そう言って斎藤さんの右手をとった。
そのまま斎藤さんの右側に座る。
想像より少し冷たい手が心地いい。
「今日はどこかいきますか?」
斎「名前の行きたいところに行く。」
「えっと・・えーっと。」
斎藤さんの手をにぎにぎしながら考える。
この時代のデートってどこにいくんだろ?
買い物はどの時代も共通デートコースかな?
「では、町へショッピング!!!」
斎「しょっぴんぐ・・?」
しまった。
横文字は通じないもんね。
「えーっと・・小間物屋にいきたいです。」
斎「あぁ・・。ではいくか。」
斎藤さんが立ち上がる。もちろん手はつないだままだから私もつられて立ちあがった。
お、これはまさか。
そのまま手をひかれ部屋をでた。
(よしっ!このまま手をつないでデートだ!!!)
斎藤さんも手をつないでいることに違和感がなくなったのか、部屋をでても手はつながれたまま。
(ふふっ。恋人っぽい!)
でも。
私の作戦は脆くも崩れ去るのだ。
原「・・・・。」
平「・・・・。」
沖「・・・・。」
おそらく稽古にいこうとしていた三人に見つかって。
沖「もしかして出かけるのかな?」
沖田さんは特に普段と変わらない表情で話しかけてくれた。
原田さんも野暮なことは言わないよねー。
よし・・まだ斎藤さんは手をつないだまま・・
「はい!で・・では行ってきます!」
何かを言われる前に立ち去らねば!
三人の横を素早くすりぬけようとしたのに。
平「・・//そ・・そういうことは部屋で・・ぶっ!!!」
原「ばかやろ!」
顔を赤くした平助が指摘しようとするのを原田さんが口をふさいで防ごうとしてくれたが遅かった。
斎「?・・・・・・・///!!!」
しっかりと繋がれた手に気がついた斎藤さん。
バッと音がでるぐらい勢いよくとかれた手。
「チッ・・平助君。怨むからね。」
本日二度目の舌打ちがでた。
だめだめ!斉藤さんの前で!
でも我慢できませんでした。
だって・・せっかく手つないでたのに。
怒りのこもった目で平助君を見て玄関へ向かった。
平「ごっ・・ごめん!名前!!!」
後ろから泣きそうな叫びを聞きながら。
私と斎藤さんは屯所を後にした。
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