平「名字!!」
まだ名字は教室にいた。
一人で。
「あ・・平助君・・。」
総司の言った通りだ。
泣きそうな顔してた。
俺がこんな顔させたのか?
平「あの・・ごめん!!俺・・。」
「平助君!あの・・私・・沖田君と付き合ってないよ?私は・・。」
ゆっくりと、それでもちゃんと俺を見ながら、名字は一生懸命言葉を探していた。
でも、それは俺が先に言いたくて。
平「好きだ。」
「!」
平「俺、名字のこと、好きなんだ。」
「わ・・私も・・好き・・です。」
消えそうな声が。
それでも届いた。
「いつも元気で・・明るくて・・平助君は私の憧れで・・。だから一緒に過ごせて・・嬉しくて・・。」
真っ赤になって。
一つ一つ言葉を紡ぐ姿が愛おしくて。
俺はゆっくり抱きしめた。
「〜〜〜//////へ・・平助君!?」
平「名前って呼んでいい?」
「あ・・はい。」
平「俺もずっとずっと好きだった。」
「嬉しいです・・//」
ゆっくり名前から離れると彼女は笑っていた。俺の大好きな笑顔で。
「あの・・これ。」
そう言って名前が鞄から取り出したのは細長い箱。
平「これ・・。」
綺麗にラッピングされた包みをあけるとそこには綺麗なボールペンとシャープペンが入っていた。
「また・・一緒に勉強・・したいな//」
平「・・ありがと!俺、名前に教えてもらえたらずっと良い点数とれる気がする!」
「ふふ・・がんばろうね?」
平「じゃ・・お礼に・・何か甘い物でも食べに行こうぜ?」
「うん!」
名前の手を取って教室をでた。
こうして俺の恋は実り。
幸せな学園生活がスタートした。
はずだった。
平「おはよー!名前!」
学校につく前に歩いていた名前を見つける。
俺の声に反応して振り向く彼女は今日も可愛い。
「おはよう。平助君。」
平「一緒に行こうぜ?」
「うん・・//」
ほら、こうして横に並ぶだけで赤くなっちゃうんだぜ?
もう可愛いすぎるだろ!
よし、学校まで手をつないで・・と思っていた。
沖「おはよー!名前ちゃん。平助君。」
後ろから颯爽と総司が現れた。
そして。
「え!?」
沖「遅刻しちゃうよ?」
あろうことか、名前の手を掴んで走り出したのだ。
平「おい!総司!!!」
沖「何?平助君。」
俺も急いで追いかける。
だって総司が名前の手を取って走りだしたんだぞ!?
平「名前に触んな!!」
沖「やだよ。別に僕諦めたわけじゃないし。」
「あ・・あの・・//沖田君!?」
平「総司!!!」
沖「いつでも奪うつもりだから、覚悟しておいてよね、二人とも。」
「あの・・あの・・。」
平「だから名前に触るなって!」
こうして学校までの数分。
俺と総司は名前を取り合いながら走り続け。
校門で風紀委員の一君に朝から騒がしいと怒られることになる。
俺と名前に平穏な日々が訪れるのはまだまだ先になりそうだった。
終
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