次の日の放課後も。
俺達は三人で勉強することになった。
今日は俺が名字の横をゲットしたけどな!!!
平「これって・・。」
「あ、これはね。これを代入して・・ここをこうするとわかりやすいよ。」
平「あ!なるほどな!名字って教え方ほんとうまいよな!先生になれるよ。」
「え!?///そ・・そんなことないよ?」
平「いやいや。だって名字に教えてもらうと頭に入るし。」
赤くなって照れてるのが可愛い。
困ったような目でこちらを見られるとたまらなくなる。
沖「あーあ。そろそろ疲れてきたし休憩しない?」
せっかくの雰囲気をまたいいタイミングで切ってくれるよな、総司は。
「いいね。そうしようか?」
平「俺さっき購買でお菓子買ってきたんだ。」
そう言って俺は鞄からお菓子を出す。
名字が嬉しそうな顔をしてくれた。
やっぱり女子はお菓子好きだよな。
「わあ、平助君ありがとう!」
平「どういたしまして!」
沖「あ、名前ちゃん。これ食べる?」
そう言って総司が取り出したのは新発売になっていたチョコのお菓子。
「あ!それ・・。」
沖「新発売で美味しいんだけどすぐ売り切れてなかなか食べられないって千鶴ちゃんと話してなかった?」
「うん!すごい!沖田君どこで見つけたの〜?」
沖「近所のコンビニにあったよ。」
・・・くそ・・。
明らかに名字のテンションが上がってる。それはもう珍しいぐらい。
そうなんだよ。
総司のこういうところがきっとモテるんだ。
俺に足りないのはこういうところなんだ。
総司がお菓子を一つ取り出すと名字に食べさせていた・・食べさせた!?
平「お・・おい総司!」
沖「え?何?」
「あ・・あの・・沖田君、自分で食べるから・・その・・//」
沖「僕が食べさせてあげたいんだけどなぁ。」
平「嫌がってんだろ!」
沖「嫌なの?名前ちゃん。」
こいつ悲しそうな顔しやがって!
わざとだよな!?
「あの///嫌とかじゃなくて・・その・・恥ずかしいから・・。」
そんな名字に総司は満足したのか袋ごとお菓子を差し出した。
俺は自分の買ってきたお菓子を見つめる。ひどく色褪せて見えた。
「平助君?平助君?」
平「え?」
ぽんと肩を叩かれるまで気がつかなかった。
せっかく名字が俺を呼んでいてくれたのに。
「おいしいよ?はい。」
そう言うと名字はお菓子を俺に差し出した。
その笑顔で単純な俺の心は復活するんだ。
平「あ・・ありがと//」
隣の席で良かった・・。
こんな風に俺達はテストまでの一週間、毎日放課後三人で勉強した。
そして金曜日。
平「あー俺、ジュース買ってくる。」
「いってらっしゃい。」
平「名字も何か飲むか?」
沖「僕カフェオレ。」
平「・・総司には聞いてねえし。」
「えっとじゃあ・・オレンジジュースお願いしてもいい?」
平「了解♪」
そう言って俺は教室を出た。
購買は近いし、すぐに買って戻ってこれる。
俺はジュースと、仕方なくカフェオレも買って教室に戻って行った。
教室から楽しそうな声がする。
何か盛り上がってんのか?
平「お待たせー。」
教室に入ると名字の赤い顔が目に入った。総司もニコニコしている。
「あ、平助君・・。」
沖「早かったね。」
平「何楽しそうに話してたんだよ?」
俺はジュースを渡しながらなんとなく聞いてみた。
「えっと・・その・・。」
平「?」
沖「平助君の武勇伝とか?」
平「は!?」
沖「うそうそ。内緒話だよ。ね、名前ちゃん?」
「え?あ・・うん。」
なんだよ・・内緒って。
すげえ気になるじゃん。
なんで名字顔が赤いんだよ・・。
沖「さて、今日も勉強したし、これで来週のテストは頑張れるよ。ありがとうね、名前ちゃん。」
「いえいえ、こちらこそ。」
沖「平助君も、がんばろうね、テスト。」
平「え?あ・・うん。」
俺達のテスト勉強期間はあっけなく終わりを告げた。
何の進展もできなくて。
焦りだけが残った。
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