「・・・・・。」
気がつくと再び見慣れた天井。
多分・・今回も夢だよね。
横を向いたら名字がいて・・ってあれ?
「いない。」
部屋には私以外誰もいなかった。
今度こそ・・起きたのかな?
――タタタタタタッ
廊下を走る音が・・二人分?
名字「母様!!」
平「こらっ!名字!走っちゃだめだろ!名前が起きちまう!」
名字「父様も走ってるじゃん・・。」
勢いよく入ってきた二人と目が合った。
名字「母様ー!」
ぎゅっと私にしがみついてくる。
・・可愛い。
さっきまでと違って元気な女の子なんだ。
見た目は同じでも父親で変わるのね・・きっと。
だって今回の父親は・・平助君でしょ?
平「もうよくなったか?」
「うん・・。」
あー。
平助君なら一番いいパパになるかも!
名字「父様、ずっと寂しそうだよ?母様元気ないから。」
「え?」
平「こら!////そういうこと言わないの!」
平助君が名字を抱き寄せて膝にのせる。
顔が赤い。図星なんだ。
名字「さっきもぼーっとしててお皿割ったんだよー。だから母様早く元気になってね。」
「そうなの?平助君。」
平「いや・・それはその・・///」
完全に照れてる。
結婚しても、平助君は恋人同士みたいにしてくれそうだなぁ。
名字「母様が元気にならないと接吻できないもんね♪」
「えぇ!?」
平「はぁ!?」
え?
今接吻って言った?
ちゅーのことですか!?
・・・・ませてる。
この子めっちゃませてる!!!
平「名字!どこでそんなこと・・。」
名字「えー総司君が教えてくれたよ?」
あの人。
こんな小さい子になんてこと。
平「総司のやつ・・。」
でも。
平助君、娘がいたらこうやって振り回されてそうだな。
なんかそれもいいかも。可愛いし。
名字「だから、母様。父様に接吻してあげて??」
な。
なんてこと言い出すんだ!このちびっこ!!
あ、私の娘か。
いやいや。
だってそんな。
付き合っていない人とちゅーはちょっと・・。
平「・・・。」
キラキラした子犬の目で見てるー!!!
その腕の中に同じ目で見てる娘がいるー!!!
さ・・さすがに無理だよ!
それに娘の前でいけません!パパ!
平「名前・・。」
ちょい!パパ!
手・・手が私の顔に・・!!!
ほんとに!?
ほんとにしちゃうの!?
やっぱりだめだ!
はやく・・はやく目が覚めて!
はやくー!!!!
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