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「開けていいの?」

「開けてよ…そのままだと困るし。」

「っくく。ほんと可愛くないなあ。」


笑いながらプレゼントを開ける沖田に何故か腹が立つどころかほっとしてしまった。
がらにもないことしたんだもん。
ひかれたらどうしようって思ったから。


「いいね、これ。」

「そう?」

「うん。やっぱり名前は僕の好みわかってるや。」

そう言うと沖田はそのままブレスレッドをつけて似合う?なんて聞いてきた。
似合うにきまってるじゃない。似合うと思って買ったんだから。


「さっきの子のは…つけないの?」

「うーん。趣味じゃないし。名前がくれたしね。」

「…。」


ねえ。そういうこと言われるとさ。
いくら私でも勘違いしそうになるからやめてくれないかな。
沖田は慣れてるかもしれないけど、私はそういうの疎いんだから。


「で、名前はメッセージとかないの?」

「は?」

「僕への。わざわざプレゼントくれるなんてさ。どう思ってるのかなって。」


こ の 確 信 犯 が ! ! !

もう絶対わかってる。
絶対絶対わかってる!!!

だってにやにやしてるもん。
悔しいけど私顔が赤いもん。


「っ〜〜〜そんなの自分で考えろ!馬鹿!!」


思わずそう叫び、カバンを掴むと一目散に教室のドアへと走り出した。
これ以上は無理です。いたたまれません。


「名前!!」

「っわっ!!!」


ぐいっと肩を引っ張られ勢いよく後ろへ倒れこむ。
転ぶと思ったのにすぐにあったかい何かに包まれた。


「ごめん。からかいすぎた。」

「え?ええ!?」


自分の前に沖田の手が回っていて、抱きしめられていることに気が付いた。
声がすぐ耳元におりてきて一気に熱が上がる。


「もちろん僕から言うつもりだったけどさ。なんか名前が可愛くてつい。」

「か…!?何言ってんの!?」

「ねえ、名前。僕もう一つプレゼントがほしいんだけど。」

「もう一つ?」

「僕の彼女になってください。」


僕の…彼女…?

静かな教室で聞き間違えるはずもない。
今、確かに僕の彼女になってって…。


「僕のこと、一番わかってくれてるのはやっぱり名前だと思うんだよね。いつもついからかっちゃうけど、それでも名前は僕から離れないでいてくれるし、見守ってくれてるのわかるから。だから…。」


「私、可愛いことできないし、言えないよ?」

「そんなの知ってるよ。」

視界がぼやりと歪んだ。
ぽろっと涙がでてまたクリアになるのにすぐに歪んでしまう。


「すぐケンカみたいになるよ。彼女らしいこと…できるか…わかんな…。」

「それも可愛いからいいよ。」

「っ…素直になれな…。」

「僕が素直にしてあげる。」


ゆっくりと体を回転させられると沖田の顔が目の前で。
そのままキスされたのはさすがに驚いた。


「好きだよ。名前。」

「…私も好き。」

「ほら、素直になった。」


そう言って笑う沖田に、


「あ…あとでやっぱりやめておけばよかったとか文句言わないでよ!」


と、相変わらずの反応をしてしまった私を。


「うん。やっぱり名前は可愛いね。」

と言ってぎゅっと抱きしめる沖田はちょっと変わり者だと思う。

でも、だから、私みたいな奴を受け入れてくれたのかなと思うと…

時々は素直になってもいいかもね。



よし。とりあえず沖田に抱き着いてみようか。

どんな反応をするのか…
楽しみだな。





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