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お弁当の時間になっても平助は時々上の空だった。



 「平助、平助。」


平「え…?あ、悪い。何?」


 「大丈夫?ぼーっとしてるけど。」


平「大丈夫大丈夫!!」


なんか元気が空回りな感じがするんだけどな。
いい天気だなーなんて空を見上げる平助がなんだか変。


 「もうすぐ一ヶ月だね…。」


平「!///」



〈一ヶ月〉というワードに平助が顔を赤らめる。そんなに重要な言葉だったかな?一年とかならまだしも。


平「あ…//そうだな。」


 「どこか行く?私水族館行きたいな〜。」


平「いいな!俺も行きたい!」


 「じゃあ今週末行こう!」


平「楽しみだなー。」


どこの水族館に行こうか携帯を見ながら話しているうちにいつの間にか距離が縮まっていて。
ふと顔を上げると目の前に平助の顔があった。



これは…。
絶好のチャンス!?


見つめていると平助も視線に気がついたのかこっちを向いて。
すぐに顔が赤くなる。


ちょっとだけ目を伏せて待ってみる。






…。
………。
…………。








藤堂さん、応答願います…。











ちらりと視線を戻すと真っ赤な顔をした平助が何かを考えるように難しい顔をして空を見ていた。




あれ!?今チューのタイミングじゃなかった!?
私間違ってるの!?
私のデータは少女マンガくらいなんだけど違ってた!?


 「平助…?」


平「え?///あ、俺ここの水族館がいいな!」


話を戻される。
これ…完全にわざとそういう雰囲気を壊されている気がする。



やっぱり。
私何かしたのかな?
それとも魅力ないのかな?


どんどん悲しくなってきて私は立ち上がった。


平「名前?」


 「私…先に戻る。」


平「え?!」


驚いて荷物を片付けようとする平助を置いて私は屋上を飛び出した。
後ろから名前を呼ばれた気がするけど戻る気にもなれない。


だって。
絶対。
近づかないようにしてるもん!!!

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