学校の近くの道路で平助の後姿を見つけた。
どんなに遠くにいたって平助だけは見つけられる自信がある!!!
「平助!おはよ!!!」
平「おはよー名前。」
後ろから呼びかけると平助は振り向き、朝から元気いっぱいの笑顔を見せてくれた。
…かっこいい。
私が見惚れていると平助は固まったように動きを止めた。
視線の先は私の頭。
平「名前…今日いつもと髪型違う。」
「あ、うん。」
いつもより少し気合いを入れてみました。
少しだけ巻いてワックスつけてふわふわにしてみたんだけど…変かな?
平助は何も言わずにふわふわと髪を撫でている。
「変??」
平「え?あっ//いや//違う!すっげえ可愛い!」
「え!?」
平「似合ってる!///」
そんなに褒めてもらえるなんて思わなくて。
赤くなっている平助につられて私の頬も熱を持つ。
「ありがと…。」
平「///って遅刻しちまう!急ぐぞ!名前!」
「うん!」
そう言って走り出す平助に続いて私も走りだした。
少しだけ離れた距離がもどかしくて。
思わず空いている手に自分の手を伸ばす。
少し触れると平助はびくりと肩を震わせたけど、そのまま私の手を掴んで一緒に走ってくれた。
(嫌われてるわけじゃ…ないかな?)
右手に体温を感じながら。
学校の門を二人でくぐった。
本人に直接聞けばいいという一の意見はもっともだけど。
聞くのも怖いし、やっぱり好きじゃないとか言われたら立ち直れそうもない。
平助は照れ屋だし、奥手そうだからもしかしたらきっかけがつかめないだけかも…?
ほら、チワワみたいだし。
私、積極的になってみようと思います!!!
休み時間に話をするのは日課となっているけれど。
なるべく自然を装って距離を近づけてみたりした。
ふふふ。平助を壁際にしてしまえば離れることもできないのだよ。…って男子か私は。
彼が逃げられないのをいいことに、私は腕にしがみついてみたり、顔を近づけてみたり、いつもより積極的に近づいてみた。
ちょっと距離が近づいただけで赤くなっちゃうのがまた可愛いところでもあるんだけど。
時々ぼーっと心ここにあらずな状態になっている気がする。
何でかな?
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