「好き」




たった二文字の言葉。




なのに俺は自分でも情けないほど言えなくて…。



いざ言おうとするとドキドキして言うどころの状況じゃなくなる。



何度も挑戦してみてもお前を目の前にすると………。






言えない














「ということなんだ!一君!!」

「どういうことだ。平助。全く話が繋がらない。」




今、俺は一君を目の前にして思春期の悩み…まあ恋愛相談をしている。




「要は、好きって言うタイミングがよく分かんないんだよ!!」

「それで…何故俺に聞く。他にも相談する相手はいるだろう…?」

「他の奴って言われてもなぁ…。皆、あんまりまともに聞いてくれなさそうじゃん!特に新八っつぁんとか…。」

「新八先生に相談することが間違ってるな。だからといって俺に相談しに来られても困る。そういうのは得意じゃない///」




少し顔を赤く染めて風紀委員の日誌を書いている一君を見て女の子みたいな反応だなぁ〜とのんきに思いながら見ている。




「そもそも平助の好きな女とは誰だ…?」




いろいろ文句を言いながらも俺の悩みを聞いてくれる。


やっぱり、一君ってこの学校の中で一番まともだよな。



改めて再確認する。




「名前だよ。俺と一君のクラスにいる名字名前。」




俺の言葉になぜか一君の体にピシッとひびが入ったような音がした。(漫画的に)





その証拠に一君が日誌を書くのに使っていた鉛筆がボキボキに折れている。

っていうか、一君…鉛筆って……。



しかも、学校の名前入りだし!!


学校そんなに好きなのか!?

一君!?(ちょっと気にする点が違います。)




「一君…鉛筆……。」

「Σ!!な、何でもない///」




もしかして一君…俺と同じように名前が好きとか?




「なぁ…一君、もしかして俺と同じで名前が好きなのか?」




俺の質問に一君は分かりやすくビクッと反応し、さっき変えた新品の鉛筆を再びバッキバキに折る。


なんかもう芯が粉と化してんじゃね?




「そうではない。た、ただ少し気になるだけだ///」




それを好きって言うんじゃ…。

鈍感な俺にも一君は分かりやすい。


ってこれじゃあ一君と三角関係になるじゃん!!



うわぁ〜!!

よく月〜金の昼の13頃にやってる昼ドラみたいじゃんかぁぁ〜〜〜!!


頭を抱えて考える。



とりあえず今言えることは……。


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