そして、練習を続けて5時半くらいになったころ。
「よし、今日はここまでだ」
『ありがとうございました!』
一先輩がそう言うと、剣道部は解散。
「じゃあ千鶴、片付けよっか」
「うん!」
私たちも片付けと帰りの用意を始める。
そして片付けを終え、私と千鶴、平助、総司先輩、一先輩は最後に体育館を出た。
「どこか寄って帰る?」
「あ、私今日は塾が…」
「俺もこれから生徒会だ」
「僕は帰って寝る」
千鶴と一先輩はともかく、総司先輩の理由が…
「つまんないのー、じゃあ平助、どっか寄って帰ろ」
「はっ!? …お、おういいぜ」
「「「?」」」
私と千鶴と一先輩が疑問符を浮かべる中―
総司先輩だけはニコニコ(ニヤニヤ)していた。
3人と別れて歩く中、いつもはうるさ…元気な平助が静かだという事に気づく。
「平助ー?」
「お!? おう!?」
「…?」
なんか、今日の平助は変だ。
何かあったんだろうか?
そう思いながら歩いていると、ある店を見つけた。
「平助! あそこ入ろ!」
「あそこ? …お、いいな、行こうぜ!」
すると平助は私よりも早く入っていく。
…やっぱり、いつも通りじゃん。
私が言ったのは、クレープ屋さん。
みんな大好きで、部活帰りにも5人で寄ったりする。
千鶴と2人はあるけど、平助と2人は初めてかもしれない…
そう思いつつ座っていると、平助がクレープを持って帰ってきた。