ずっと、ずっと前から。
-ずっと前から君が好き-
「はあ、やっと終わったあーっ…」
グッと私は背伸びをする。
今はすべての授業が終わった放課後。
「…でもここからが長いんだよなあ…」
「ふふ、そうだね」
「うおっ、千鶴!」
私が呟くと、親友の千鶴が来た。
「じゃあ、行こうか」
「うん!」
そして、私たちは体育館に向かった。
冬なのに、熱気で暑い。
「どこの部も頑張ってるよね…」
「そうだね、でもうちの部も例外ではないんじゃない?」
「そうかもね」
そんな話をしながら歩いて行って、着いたのは―
「名前、千鶴!」
「遅いぞ、もう練習が始まる」
「早くしなよー」
薄桜学園 剣道部だ。
…っていっても、私たちは部員じゃなくマネージャーだけど。
「ねえ平助」
「名前? なんだよ?」
「今日って何するんだっけ」
「マネージャーなら覚えとけ!」
「ちょ、大声やめて! 一先輩に見つかったらやばいから!」
「う、おお…」
一先輩、今も少し睨んでますからね…
「で、何?」
「今日は短めの練習だってさ、早く帰れるな!」
「おお、やったあ!」
「…名前ちゃんはマネージャーだから楽じゃない」
「「うおっ!?」」
私たちがおそるおそる振り返ると、そこには総司先輩がいた。
「てゆうかなんで名前ちゃんは僕に聞いてくれないわけ?」
「総司先輩は…絶対一先輩に言うからです」
「あはは、言うわけ………いや、言うな」
「ほらあ!」
前一度聞いたときも「僕も分かんない」って一先輩に聞いたじゃない!
んで私が睨まれたじゃない!
「ほら、こんな風…に…」
「名前、ちゃんとメニューを覚えておけ」
「ごめんなさい!」
私が謝っていると、平助や総司先輩や千鶴、他の部員がみんな笑っていた。
「よし、始めるぞ!」
しかしその一先輩の一言だけで、空気が変わった。