名前side
『────作戦は順調です、隊長!』
「はいはい、良かったね。」
『なにそのやる気の無さ…!?もっと気合入れてよ!!』
「だって、名前ちゃんと平助がどうなろうと僕は興味ないし。千鶴ちゃんがどうしてもって言うから案を出してあげたんだよ?後は自力で何とかすればー」
「沖田さんっ、やり逃げは良くないです!」
『そうだそうだ!やり逃げ沖田!!』
「……あのさ二人とも。それってなんか勘違いされる言い方だから止めてくれるかな」
「沖田さん、名前ちゃん本当に悩んでるんですよ!助けてあげたいって思わないんですか!?」
「思わない。」
『うわぁー。この人断言した。ねぇ千鶴。千鶴って、"本当は優しい人"が好きなんだよね?』
「え…?っあ、そう!そうなんです!」
無理矢理感はあるけど千鶴は何とか話を合わせてくれた。すると興味を示したように沖田君が横目で視線を送る。
こんなとこで躓いてる場合じゃない。付き合ってもうすぐ一年だっていうのに……。こうなったらドSでもなんでも使ってやる…!
『沖田君!これが上手くいった暁には、千鶴と一夜を共にする時に私がアリバイ工作するからお願い!!』
「っ名前ちゃん!?///」
「!! その言葉に嘘偽りは?」
一気にやる気が出たのか沖田君の目は妖しく輝き、口角が上がった。
『無い!!』
「待って名前ちゃん!私はまだそんな───」
「千鶴ちゃーん。いつにしよっか?」
「お、沖田さん!?///」
千鶴…………ごめん。でも後悔はしてない。
背後から首に絡みつく沖田君に千鶴は慌てふためく。私はそんな可愛い千鶴の成仏を祈って合掌を贈った。