沖田「僕は名前ちゃんの努力分かってるよ。」
そしてよりギュウッと抱きしめてきた。
く、苦しい・・・。
毎回、総司の抱擁は苦しくて困る。
もう少し力を入れれば昇天しそうになる。
藤堂「おい、総司・・・名前が苦しがってるだろ!」
私の顔を見て、平助が助けてくれた。
「ありがとう、平助。」
ニコッと笑ってお礼を言うと平助は少し顔を赤くした。
藤堂「べ、別に・・・これくらいなんてことないからなっ!」
沖田「平助、僕の湯たんぽ取らないでよ。」
「誰が、湯たんぽだって?」
これも、毎朝の光景で私たちはよく言い合う。
あ、もう一人いた・・・。
辺りをキョロキョロと見ると私の兄と
話している姿が目に入った。
斎藤「土方先生、こちらの検査は終わりました。」
土方「あぁ、ご苦労だったな・・・斎藤。」
そう、斎藤君も私達とよく一緒にいるメンバーの一人だった。
私は仕事が終わった斎藤君の下へ行った。
「斎藤君、お疲れ様。そしておはよう。」
斎藤「おはよう、今日も名前は元気だな。」
クスッと笑って優しく私の頭を撫でる斎藤君。
斎藤君はどこか兄みたいなところがある。
不器用だけど一生懸命に頑張っているところとか・・・。
私も、将来こんな人と付き合いたいなぁ・・・。
そんな思いで斎藤君を見ていたら、再び私に抱きついた総司が言った。
沖田「名前ちゃんは斎藤君が好きなの?」
そんな些細な質問をされた。
だが、何故か周りにいた男たちは一斉に斎藤君を見た。
「うーん・・・友達として好きでも恋愛間情はないよ。」
少し悩みながら言うと何故か、斎藤君以外の男はホッとしたような顔をした。
何か期待していたんだろうか?
そして、斎藤君は少し悲しそうな顔をしていた。
土方「お前のタイプってどんな奴だ・・・?」
不意に兄に聞かれてビックリした。
私だって一応、女の子だ。
この年齢になるとさっきみたいに考え
たりする。
でも、それを人に言えるかどうかと言ったらそれはまた別の話だ。
だから、はぐらかすように言った。
「そ、そういう皆はどんな女の子がタイプなの!?」
顔を赤くしながら聞くと最初に総司が答えてくれた。