─街─
神「……こうなるよね」
沖「…………」
「ねぇねぇどこ行く!?定番の団子屋?」
藤「そうだなぁー」
明らかに不機嫌な沖田と苦笑いする神威の前を、藤堂と名前は行き先をどうするか話しながらで歩く。
藤「そういやお前らはどこかに行く予定だったのか?」
神「さぁ?私は毎回お任せだから分かんない。総司君なんか予定立ててた?」
沖「…………出会茶屋」
藤「Σはあ!?///お前本気で言ってんのか!?///」
主神「??」
出会茶屋=休憩のみのラブホ
沖「さすがに平助達と一緒には行きたくないし『Σこっちの台詞だ!///』名前ちゃんは行きたい所とかある?」
「そうだなぁ〜…、あ!小間物屋とか行ってみたい!」
藤「よし!決まりだな」
─小間物屋─
「見てみて!これ超可愛い!///」
藤「どれだ?」
藤堂は好みの簪を見付け嬉しそうにする名前の傍に寄る。
藤「へぇー、お前はこういうのが好きなのか。確かに名前に似合いそうだな!」
「え!に、似合わないよこんな可愛い簪…///」
藤「そんな事ないって!ちょっとじっとしてろよ?」
その簪を手に取った藤堂は結い上げた名前の髪に差すと満足そうな笑みを浮かべた。
藤「ほら俺の言った通りだ。すっげー似合ってる!」
「そう…かな?///」
神「沖田氏。子犬達がイチャついてるんだが」
沖「そうだね。」
まるでバカップルを見るような目で名前達に目を遣っていた沖田だったが、何か思い付いたのか突然口が弧を描く。
沖「神威ちゃん、行くよ」
神「え、でも…」
沖「もう…、少しは空気読みなって。二人きりにしてあげるんだよ」
神「ぉお!気が利くね総司君♪」
沖「このくらい当然でしょ」
神威達は二人が背を向けた隙にこっそり小間物屋を後にした。
藤「おじさん、これいくら?」
「Σ平助君!?///」
藤「いいって。会津藩から扶持も出る様になったし気にすんなよ、なぁ総……あれ?あいつ等どこ行ったんだ?」
振り返った藤堂が二人の姿がない事に気付いた。
「あー!抜け駆けしやがったー!」
藤「しょうがねえな総司の奴は……。どうする?屯所に戻るか?」
「えー、せっかく来たのに…。平ちゃん、私達もこのまま逢い引き続けよっか?」
藤「あ、逢い引き!?///別に俺はそんなんじゃ──」
「なに照れてんのー?可愛いー」
藤「Σ照れてねえよ!///……ほら、行くぞ///」
「うん♪」
顔を赤らめてそっぽを向いたまま逢い引き続行をする藤堂に笑いを噛み殺した。