スパァァンッ!
翌朝、キレのある襖の音が藤堂の部屋に響く。
永「おい平助!お前今日は食事当番の日だってのに忘れたのか!?」
永倉は怒号を飛ばしながら布団を剥ぎ取った。
「─────ZZZ」
永「へ────Σ平助が女になっちまったぁああ!?///」
仕事から帰ったままの服装だった為スカートからは白い脚が露になっている。
斎「新八、朝から何を騒……大丈夫か?」
藤堂の部屋の前を通りかかった斎藤が永倉を見て不思議そうな顔をした。
永「斎藤……俺の目はどうなっちまったんだ…?」
斎「目?どうもなっていないが……それより新八、鼻血が出ている」
永「Σ!?///さ、斎藤…後は頼んだ…」
よろよろと部屋を出ていく永倉に何かを任された斎藤は頭を傾げる。
斎「後?待て、一体何を『んんー、よく寝た♪』Σっ!!!」
目覚めた名前を見て斎藤は悶絶しながら廊下へ後退りした。
沖「一君おはよう。……ところで何やってるの?」
神「ムーンウォークの練習ですね、分かりますw」
「あ、おはよー神威ちゃんに総司君!」
神威と沖田の声に名前が部屋から顔を覗かせると斎藤の肩がビクッと揺れる。
沖「おはよう名前ちゃん。昨日はよく眠れた?」
斎「名前……?」
「お陰様でぐっすり♪神威ちゃん、後で平ちゃんで遊ぼうよ♪」
斎「ちょっと待て。今【名前】と言ったか?」
困惑しながら問う斎藤に三人が首を傾げる。
「え…Σ一君まさか私を忘れたの!?」
斎「そうではない!俺が言いたいのは、名前は元の世に戻ったはずだと言う事だ!」
沖「そうだよ。それでまた来たんだって」
斎「また来た…?それはいつの話だ?名前は何度でもこちらに来られるのか?」
神「さぁ?来たのは昨日の夜だよ」
斎「昨夜……あの騒ぎの事か?」
沖「そうだよ。名前ちゃんさ、神威ちゃん今日は遊べないから平助と遊んであげて?」
「え、何か用事?」
神「えー、何にもなかったはず『僕と逢い引き』あぁ…あったね、そんな事言ってたね…」
沖「もしかして忘れてたの?酷いなぁ、僕ずっと楽しみにしてたのに」
「いいじゃん!逢い引きなんていつでもできるんだから今日は私と遊ぼうよ♪」
そう言って神威の手を引くと沖田が目を細めて反対の腕を掴んだ。
沖「ちょっと待って。名前ちゃん何言い出すのさ?先に約束してたのは僕だよ?」
「そこは譲るのが良い彼氏でしょ?」
沖「かれし?なにそれ食べ物?」
「……すっかり汚染されてるねwww」
神威の悪影響が日々確実に沖田を蝕んでいた。
―広間―
「わぁーい♪嫁の作った朝ご飯だー☆」
藤「俺は男だ!嫁になんかなれるかよ!///」
原「しっかし、また来るとはなぁ」
藤堂と原田に挟まれて摂る食事が酷く懐かしく感じる。
神「そういや名前ちゃん、そっちは今何月なの?」
「7月だよ。あ、ちなみに黎明録がアニメ化されたの知ってる?」
土「黎明録?なんだそいつは」
沖「【あにめ】って確か神威ちゃんが持ってた【あいぽっど】ってやつに…………神威ちゃん?」
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/⌒三⌒\
/(○)三(○)\
| ⌒(_人_)⌒ |
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ヽノ
神「ごめん!!私ちょっと平成まで行ってくるわ☆」
藤「Σはあ!?ちょっとの距離じゃねえだろ!?落ち着けって神威!」
神「だって観たいんですよ永倉さあああああん!!」
永「Σ俺に泣き付くなよ!そんな事言ったってどうしようもねえだろ!?」
「いいよ〜黎明録wなんかアニメが綺麗になった気がするし」
神「くそーっ!!次死んだら絶対観……れない。日が戻るんだった…orz」
「あはは!でも黎明録リアルタイムじゃんwそっちの方がいいって」
土「そんな事より『Σそんな事!?』……そんな事だろ。それより神威、今日はどうするつもりだ?」
沖「僕と逢い引きですよ」
「私と遊ぶんだよ」
主沖「…………」
再び火花を散らす二人に溜め息を吐きながら土方が決断を下した。