二日前。
─町─
井吹「あれ?なあ平助、あそこに人集りが出来てるぞ?」
藤「え?…あ、ほんとだ。喧嘩でもしてんのかな?龍之介、俺ちょっと見てくるからここで待っててくれよ!」
井吹の買い物に付き合って町を歩いていた藤堂は人集りを掻き分けて中心部に入って行った。
藤「はいはい、ごめんよー…って何だこれ…」
妙な格好の女が浪士に絡まれていた。…と思いきや
「何が起こったの!?」
浪「Σだから知らねえよ!もういいから手を離せって言ってんだろ!?」
「だったら私どうしたらいいの!?」
浪「ああ…変な奴捕まえちまったな…」
女が浪士を捕獲していた。
藤「なぁ、おっちゃん。これどうなってんの?」
男「どうもこうも見ての通りや。最初は男の方が声掛けたんやけど、今は姉ちゃんが男を捕まえとるんや」
藤(放っといても良さそうかな…ん?あの格好って…)
ロンTにデニム。
藤(まさか違うよな…?でも一応確かめとくか)
藤堂は人集りの中心にいる女に近寄り話し「Σ藤堂平助!!」かけられた。
藤「Σな!何で俺の名前知ってんだよ!?」
「本物だ…///って事はトリップ!?平ちゃん屯所に連れてってよ!他のメンバーもいるんでしょ!?」
藤「めんばー?な、なぁ!その前に一つ聞いていいか?」
「いいよ?何?」
藤「話を流す事を何て言う?」
「スルー」
藤「Σ嘘だろ!またか!?……取り合えず屯所に行くか…」
「うん。…あ!龍之介もいんじゃん!!」
人集りから抜けると井吹の姿が目に入った。
井吹「Σへ!?…あんた誰だよ!?こいつ何なんだ平助!」
藤「あー、多分神威と同じとこから来た奴。龍之介、わりぃけど屯所に戻るぞ」
井吹「神威と同じとこって…またか!?」
藤「ああ…まただ」
「神威?誰それ?」
藤「…面倒臭えから説明は後でな。ところでお前、何て名だ?」
「名前!」
藤「名前だな。ちゃんと付いて来いよ?」
この後、藤堂は名前を屯所に連れ帰った事を激しく後悔する羽目になった。
─広間─
土「またか…」
神威もトリップしている事やこの世界の事の説明がさらっと終わった頃、ため息混じりに土方が呟いた。
神「平成人いらっしゃ〜い♪」
「お邪魔しま〜す♪」
原「頼むから無茶な願いは止めてくれよ?」
「願い?」
神「名前ちゃんがここに来たのは名前ちゃんの強い願いがこの世界と繋がったからなんだよ。
名前ちゃん…あなたの願いは何?」
「私の願いは……
平す犬を弄…戯れる事!」