三人は色んな露店を見て回り、次に名前が見つけた人集り。
斎「…………名前、あれは無視しろ。」
斎藤に制された。
「?どうして?」
原「お、斎藤に平助じゃねえか。可愛い嬢ちゃん連れて随分楽しそうだな」
藤「左之さん、新ぱっつぁん何やってんだよ…」
永「見りゃ分かるだろ平助!応援しやがれ!!」
男と腕相撲をしながら永倉が応援を要請。
原「この男共に勝てば賞金と酒が貰えるんだとよ。そんで、こいつが最後の一人なんだが結構手強くてな」
藤「おお〜!そういう事なら頑張れ新ぱっつぁん!!そんな弱っちい奴に負けんな!」
男「何だと小僧?もう一回言ってみろ!」
腕相撲をしている男の仲間らしき男達が藤堂に詰め寄ってきた。
(Σ不味いんじゃない!?どうするの!?)
斎「名前、こちらへ来い。離れるぞ」
斎藤が名前の腕を引いてその場から遠ざかった。
「なんで助けないの!?仲間なんでしょ!?」
斎「奴等の心配は無用だ。それよりもあんたに怪我でも負われては困る」
藤「おら、どうしたぁ!遠慮せずに本気でかかって来いよ!!」
「…………なんだか楽しそうね」
斎「行くぞ、直に日が暮れる」
「あ、本当だ」
空を見上げると気づかない内に日が大分傾きかけている。
斎「それはそうと腹は空かないのか?」
歩きながら斎藤が話しかけると空腹感に気づいた。
「そう言えば何にも食べてないなぁ。楽しくて忘れちゃってた」
斎「(クスッ)そうか。では何か…………あんた達はここで何をしている」
神「HEY!ラッシャイ!あ、一君Σ美少女と同伴だとおおお!?記念パピコ☆」
沖「一君が逢い引きなんて珍しいね」
「……誰?またお仲間?」
着物を腕捲りした神威と沖田が屋台の鉄板で何かを焼いている。
斎「逢い引き等では無い!///…案内をしているだけだ」
沖「その割には腕を掴んでるみたいなんだけど?」
楽しそうにクスクス笑いながら沖田が指摘すると斎藤は顔を真っ赤にして腕を放した。
斎「!これは…その…///」
神「まぁまぁいいから♪ほい、神威特製の焼きうどんでも食べな!逢い引き記念にご馳走してやるから!」
斎「だから違うと言っているだろ!///それよりもあんた達は何故露店をやっているのだ?」
神「それがさぁ、行きつけのうどん屋のおっちゃんが屋台出すって聞いて食べに来たんだよ。
そしたらぎっくり腰になってやがってwwwそれでしょうがないから私達が代わりにやってるって訳。」
「あの…焼きうどんって?」
沖「名前の通り焼いたうどんで、この子が作ったんだ。美味しいから食べてみて」
そう言って名前に一皿渡した。
(焼いたうどん…でも美味しそうな匂い)
「醤油味で美味しいよ〜!一君も食べてみて!」
斎「ああ。名前、怖がらずとも食べられる物だ。安心して食すといい」
神「…………総司くーん。一君のうどんが見えなくなるくらい生姜を乗せてやって。」
沖「了解♪」
斎「Σ神威、何故だ!?」
会ったばかりの人達と騒ぎながら、初めて口にした食べ物は名前にとって特別な味だった。