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 (落ち着け・・落ち着け私!)




目の前には野菜達。
右手には包丁。

なんてことはない。
いつも通り、野菜を切りお味噌汁を作ればいい。

チラッと横を見ると



 (斎藤さん・・)



斎藤さんがお米の準備をしていた。
火加減を調節している。

女の私より綺麗な黒髪。
綺麗な顔立ち。
羨ましすぎです。

斎「名前・・どうかしたか?」



いつも落ち着いていて
あわてることってあるのかな?



斎「名前、俺の顔に何かついているのか?」



そう。隊士ではない私にも
他の人と変わらずに接してくれる。
口数は少ないけれど
実は良く見ていてくれている。
そんな斎藤さんが・・



斎「名前、鍋が煮立っている・・。」



 「へ!?」



いけない!
急いで切って続きを・・

斎藤さんを見つめすぎて
声をかけられていることすら気がつかなかった。

絶対変だと思われた。

    

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