「よし!準備できましたね、斎藤さん。」
斎「そうだな。」
なんとか準備も終わり、あとは運ぶだけ。
「今日はお魚がありますから、皆さんに喜んでいただけます。」
斎「そうだな。」
あれ?斎藤さんそうだなしか言っていない。
斎藤さんのほうを向くと
こちらをじっと見ていた。
「どうか・・しましたか?」
斎「いや、たとえあんたが料理が下手でも。」
「?」
斎「一生懸命作ってくれているのだ。それだけでいい。」
「ありがとうございます。」
斎「それから、俺は自惚れていいのだろうか?」
「え?」
斎「先ほどの言葉。まるで好いてくれているようだったのだが・・。」
「なっ///」
前言撤回。
鈍感なんかじゃない。
それどころか
斎「どうなんだ?名前。」
いつもと違う微笑み。
なんか少し意地悪?!
「し・・知りません!!!!」
私はお膳を持って広間へ逃げた。
あの微笑みに耐えられなくて。
斎「朝餉が終わったら、俺の気持ちも伝えなくてはな。」
そう呟くと斎藤もお膳を持って広間へ向かうのであった。
名前が少し指を切っただけで
慌てるぐらい
斎藤も名前を好きだったということを
まだ名前は知らない。
終