沖「・・・!名前!!」
「えっ?!」
沖「いつまで寝てるつもり?」
「ぎゃああああ!」
沖「ちょっと・・うるさいんだけど。」
だってだって。
起きたらあのドMが立ってるんだもん。
あれ・・?
ここ・・教室?
沖「そろそろ帰らないと門閉められるよ。」
「放っておいて!このドM!!」
沖「・・・は?」
沖田君は眉間に皺をよせた。
あれ?なんか雰囲気が違う?
沖「君、どんな夢見てたわけ。」
「え・・えっと・・沖田君がドがつくMで私が殴っても蹴っても罵っても無視してもニコニコしながらくっついてきた夢。」
沖「夢の中で人にそんなことするなんていい度胸だね、名前。」
あれれ・・?
夢・・・?
そういえば。
そうだ、沖田君ドがつくMじゃなくて。
ドがつくSです。
沖「ねえ、人が告白したのに返事もくれないで、夢の中でそんなひどいことするなんてどういうつもりなのかな?」
あ、告白してくれたのは現実だった。
沖「聞いてる?名前。」
「あ、うん・・。」
沖「寝言でドMは嫌いだって言ってたし・・ドSなら問題ないよね?」
あれ。
笑顔が怖いです。
なんか、黒いオーラが見えますけど。
沖「たっぷりお仕置きしてあげるから、覚悟しておいてね?」
耳元におとされた無駄に色気のある声に一気に顔に熱が集まった。
「ごごご・・ごめんなさ・・。」
沖「謝ってもだめだよ。ほら、帰るよ。」
「ゆ・・許してー!!!!」
掴まれた手首は夢の中と一緒で放されることなく。
私はドMの世界からドSの世界へ連れていかれることとなった。
ドSでもドMでもなくて。
普通の人がいいのに!!!!
なのに、楽しそうに横を歩く人から逃げられない私がいるのでした。
終