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くそ・・どうすれば?!


戦うのもダメ。
罵るのもダメ。
受け入れるのもダメ。



次は・・。



あれだ!!!






そしてきました。放課後。










沖「名前ちゃーん!!!」




昼休みの一件のせいか、沖田君の機嫌はいつも以上に良かった。
私はちらっと見てからすぐに自分の鞄に視線を戻した。


クラスメイトの大半が残っていたけれどみんな今更動揺もしない。



沖「帰ろう?」



ニコニコして横に立つ沖田君。
次の作戦は・・。





私は表情を変えず、沖田君の横をすりぬけて廊下へ出た。
もちろん、彼は追いかけてくる。




沖「一緒に帰れるの初めてだね。」



 「・・・。」




そうです。
放置することにしました。
今まで何かと反応してしまったのが悪いんだから。


無反応を試みる。




沖「名前ちゃん?」




沖田君が私の手を掴んだ。
前に進めない。



沖「どうして何も言わないの?」



 「・・・。」



沖「怒ってるの?」



 「・・・。」




目をぱちぱちとさせながら沖田君は私を覗きこんだ。




どうだ・・?放置プレイ作戦。
・・若干放置できてないけど。
無反応作戦!!!




沖「ふーん。」




沖田君は私の手を掴んだまま。




沖「まぁ僕放置プレイされても全然平気だけどね。むしろ反応しないなら喜んでくっつくよ?」





こいつエスパーか!?!?





 「なっ!!?」




しまった!反応しちゃった!!!





ニヤリと笑ったのを見逃さない。





沖「やっぱり可愛いね、名前ちゃんは。」





 「く・・くっつくなー!!」




くそぉ!
何してもだめって何!?




 「はなれろードM!私はドMは好きじゃないんだって!!!」




沖「じゃあSがいいの?」




 「普通がいいの!」




廊下で抱きつかれて必死に抵抗をする。
思い切り沖田君を押そうと力をこめると、足が滑って後ろに倒れそうになる。




 「きゃっ・・。」




沖「名前!」




倒れる寸前に沖田君に引っ張られる。
おかげで背中が床に激突という事態は免れたけど。



そのまま床にゆっくりおろされた。




あれ?





なんで、廊下に寝転がらなきゃいけないの?



なんで沖田君、私の上に覆いかぶさってるの?









 「なっ・・・何してんの!」




沖「ん?名前ちゃんの上に乗っかってる。」




 「そういうことじゃなくて!廊下なんだけど!!!」




沖「廊下じゃなければいいの?」





 「ちがーう!離れろ!馬鹿!!!」




沖「そうやって強く言ってくれる名前ちゃん好きだなぁ。」





しまった、逆効果だった!





しゅるりと胸元のリボンがとかれ・・え?


なんで私のリボン??
なんでボタン外そうとしてんの、この人。




 「あの・・えっと・・沖田君?」




沖「ん?」




 「ここは、学校で、しかも廊下で。」



沖「誰もいないよ?」




嘘だ。
まだみんな帰ってなかった。
でもなんで?
なんで誰も通らないの?





沖「ふふっ・・いただきます、名前ちゃん。」





 「ひっ・・ぎゃああああ!!!!」







私の世界は暗くなった。

   

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