3 

無事模試も終了。
結果はまだ返ってこないけどまずまずだと思う。





 「大丈夫かな・・変じゃないかな・・。」







多分もう30分は鏡の前にいる。

今日は土方先生とデートの日。
楽しみすぎてとても早く目が覚めてしまった。
おかげでゆっくり準備できてるんだけど。



いつもは制服でしか会わないんだし。
デートの時ぐらい大人っぽい格好しないと!



と気合いを入れて、お姉ちゃんに借りた服を着てみた。
ワンピースにカーディガンって王道スタイルだけど、大学生ぐらいには見えるかな??


デートと聞いて私以上に気合いの入ったお姉ちゃんによって髪も少し巻かれ、化粧も薄くされた。




 「よしっ!いってきます!」



姉「いってこーい!!!」



お姉ちゃんに見送られ私は待ち合わせ場所へ向かった。
私の家からそんなに遠くないコインパーキングに土方先生の車は止まっていた。




 「おはようございます!先生。」



土「・・・・・・・・。」



開いていた窓に向かってそう言うと土方先生の視線がこっちに向く。・・が。




 「先生?」



先生は目を丸くしたまま何も言わない。
あれ?どうしたの?




土「・・・名前?」




 「そうですけど。乗っていいですか?」




土「あ・・あぁ。」




助手席に乗り込みシートベルトをした。



 「どこいくんですか??」



土「あー・・・。」



私の質問にも上の空。
先生は私を見て固まっているみたい。




 「何か・・変ですか?」



土「お前、いつもそんな格好なのか?休みの日。」



 「え・・?」



土「いや、なんでもない。いくぞ。」



そう言うと先生はエンジンをかけた。




 「どこ行くんですか??」



土「どこに行きたい?」



 「うーん・・いい天気だし。海とか行きたいです・・。」



土「・・・王道コースだな。」


私のあまりにもベタな回答に土方先生が苦笑する。


 「い・・いいじゃないですか!デートなんて初めてだし・・・。先生おすすめのところでもいいですよ!」




土「いや、海いくか。お前が行きたいところにいく。それと・・。」



信号待ちで車が止まると先生はこっちを向いた。運転している姿がかっこよすぎてずっと見ていられそう・・。



土「先生って言うな。」



 「え?」



土「今日は学校じゃねぇからな・・。」



信号が変わって先生は車を発進させた。
少し照れてる??



 「じゃあ・・歳三さん?」



土「それでいい。」




何これ。
嬉しい嬉しい!
彼女っぽい!!!
先生のこと、名前で呼べるのは私だけだもん!
思わず足をばたつかせる。



土「何興奮してんだよ。」



 「べ!別に興奮なんてしてません!」



土「ははっほんとガキだな、お前は。」



しまった・・。
せっかく大人っぽい格好したのに。
子供扱いされてる。



 「あ、私お弁当持ってきたので!」



土「・・・・お前が作ったのか・・。」



 「なんですか、その疑いのまなざしは!大丈夫ですよ、いつも作ってますもん!」



土「ま、楽しみにしておいてやるよ。」



 「じゃ、海に着くまで何かしましょう!」



土「何かって・・車で何すんだよ。」



 「しりとり!はい、りですより。」



土「・・・ガキ。」



 「ガじゃないです!り!」


どうしても会話から子供扱いされている感じがぬけきれないまま。・・当たり前か。

車は海へと着いたのでした。

   

 ←short story
×