「大丈夫!自信を持って。」
友「・・うん!がんばってみる!やっぱり名前に相談して良かったよ。ありがとう。」
そう言って笑った友人は手を振って去って行った。
彼女の思い人のもとへ。
誰もいない教室。
窓を見るともう外は夕焼け色。
こんなロマンチックな光景に包まれて告白されたら、そりゃ成功するでしょう。
「人にはアドバイスできるくせに・・。」
一人ぼっちの教室で。
呟いた声は。
どこかへ消えていった。
―強がりな小心者―
高校に入学してから早一年。
友達もでき、授業にも慣れ、楽しい高校生活を過ごしていた。
中学の時からずっと変わらないことが一つ。
恋愛相談をされること。
話しやすいのか、なんなのかわからないけれど、よく友達から恋愛相談を受けていた。
だいたいは話を聞いていて、少しだけ意見を言う。ただそれだけなんだけど。
相談を受けた子はその後だいたいカップルになっていた。
あまりにも成就するので今では私に相談すると恋が叶うというジンクスまで存在する。
カップルになるということは・・だ。
「アドバイスはあながち間違っていないってことか。」
思ったことを彼女達に伝えているだけだけど。
それで実際うまくいっている。
それなのに。
「どうして自分のことになると・・。」
机に頬杖をついた。
はぁ・・と大きなため息をつく。
いや、もうため息しかでないでしょ。
人には恋愛のアドバイスをしているのに。
自分のこととなると・・別問題。