「うーん・・・。」
部屋で一人唸っている私。
「口癖か・・。」
机の上に広げた紙を見つめてからもうどれくらいの時間が過ぎたのだろう。
夕餉も終え、もう後は眠るだけの状態なのだがなかなか寝付けずこうして起きていた。
紙には新選組幹部の名前とその横に口癖が書かれていた。
夕餉の時に原田さんとそんな話になって二人で笑っていたのだ。
たとえば沖田さんなら。
沖「斬っちゃうよ。」
とかすぐ言うし。
斎藤さんなら。
斎「・・・何故?」
ってよく言うし。
永倉さんから今日何度
永「見てくれこの筋肉!!!」
って言葉聞いたことか。
土方さんからは
土「うるせぇ!てめぇら!!!」
ってよく聞くかな、最近。
幹部全員に口癖があるわけではない。
それはわかっているんだけど。
「平助君って・・口癖あったかな?」
そう。
私は一番大好きな彼の口癖が思いつかない。
私のことをいつも気にしてくれて、傍にいてくれるのに。
「なんかあったかなぁ。原田さんに聞いておけばよかった。」
たいしたことじゃないのはわかっているけど。
気になりだすとモヤモヤするというか。
「あ!聞いちゃえばいいんだ。本人に。」
私はそう言うと立ち上がり、彼の部屋へと向かった。