目を丸くしてこっちを見ている名前に一気に言葉を投げる。
平「女の子らしいかって言われるとよくわかんねぇけど。俺はずっとお前のことが好きだった。正直他の男をかっこいいだの素敵だの聞くのはつらかったけど。それでも近くにいれたから良かったんだ。でも今日はさすがに焦った。一君が赤い顔して家から出ていくし。お前は嬉しそうにお茶もってくるし。もしかして・・付き合っちゃったんじゃないかって。そしたらすげぇ後悔して。もっと早く言えば変わってたのかとか。すごい考えて。でも実際一君は他の子が好きって聞いたらお前が悲しんでるのにすごい嬉しくなっちゃったから自己嫌悪というか・・その・・。」
「平助!ストップストップ!!!」
平「なんだよ、言いたいことたくさんあるんだよ!つまりその・・。」
「待ってってば!平助・・私のこと好きなの?」
平「そうだよ、悪いかよ!?」
「だって一度もそんなこと・・。」
平「お前が他の男でキャーキャー騒いでるから言えなかったんだよ。いや、それは言い訳か。」
名前の目をまっすぐに見て言った。
平「俺、お前のこと好きだった。ずっと。」
「っ・・。」
名前の顔が赤くなる。
こんな表情初めて見た。
なんだよ、めちゃくちゃ可愛い。
でも半分は困ったような顔だ。
平「いきなり言われても困るよな?お前にとって俺そういう対象じゃないだろうし。でも俺はずっと好きで。そしてこれからも好きだから。」
「平助・・。」
平「今までもずーっと待てたんだ。これからものんびり待ってるよ。お前に彼氏ができたらあきらめるわ。」
いや、できてほしくないけど。
できればそのポジションは俺であってほしいけど。
平「頼むからさ・・いきなり無視とかやめてくれよ。俺へこむし。」
よく聞くじゃん。
告白したら気まずくなるとか。
それだけは本当に耐えられない。
「そんなことしないよ。でも今混乱してて。」
平「そりゃそーだよな。じゃ、俺今日は帰るよ。また明日学校でな?」
「うん・・。」
荷物まとめて部屋を出た。
外はやっぱりうだるような暑さで、すぐにシャツが肌にはりついてくる。
セミも相変わらずの大合唱だし。
痛いぐらい太陽の光がさしてくるけど。
不思議と目に映る青空が。
今までより綺麗に見えた。
心の中に不安はなかった。
体が軽くなったみたいだ。
まるで。
迷路の出口を見つけたような。
そう。
やっと俺は抜け出したんだ。
親友って迷路から。
あとは、この出口の先に。
お前が居てくれたらいいんだけどな。