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そのあとさりげなくクラスメイトに話をきいた。

風間先輩について。

わかった情報は
学校で一番もてること。
すっごい俺様なこと。
だけど文武両道で有言実行なため、みんなにその俺様なとこも受け入れられちゃってるとこ。

受け入れられてるのか・・あれ。



なんかすごい人だな。
って思ったけど、まぁ先輩は階も違うし、会うこともないだろうと思っていた。


私が甘かった。






―――ガラララ


放課後。
教室のドアが音をたてて開いた。

そこに立っていたのは。

風「名前むかえにきたぞ。」

口にいれかけたじゃ○りこが落ちた。

 「は?」

風「俺の妻になれ。」









妻。












 「なれるかーーーーーー!!!!!」







それからというもの。

毎日のように風間先輩に追いかけられる。


朝、家に迎えに来られたり。(いつ調べたんだよ・・)

昼を一緒に食べるぞと言われたり(丁重にお断り)

放課後は必ず教室にくる(くるまえに逃げる)





平「お前も大変なー。」

平助が憐みの目で見てきた。同情するなら逃がしてくれ。
放課後のチャイムと同時に鞄を掴んで屋上へ避難。前にダッシュで帰ろうとしたが校門のとこで待ち伏せされたからだ。
それからどこかに隠れて時間をつぶし、毎日違う時間に帰ることにしている。
その作戦のおかげで最近は放課後逃げ切っていた。

 「なんなのよー。なんで私が・・。」

平「もうあきらめて付き合えば?かっこいい先輩じゃん。」

 「いいのは顔だけでしょ!ただのストーカーじゃねぇか!!!」

平「愛されてるって解釈・・。」

 「できるか!」

時間つぶし&逃げ切るために平助に付き合ってもらっていた。

 「しかも妻とか何!?普通付き合って下さいでしょ。」

平「そこがあの人らしいんじゃねぇの?」

 「知るか!」

平「多分今まで誰にも注意とかされなくて、女子はみんな言いよってくるし、お前みたいなの変わってて気になっちゃったんだって。」

 「ほんとどんな人生歩んでたんだよ、あの人。」

平「確かに。・・そろそろ帰るか?」

 「うん。今日もありがとー平助。」


平助とは帰る方向が違うから校門でバイバイ。

まだまだ夕方だけど明るいなーなんて考えながら帰っていた。


 「ねぇ、君。」


もうすぐでうちだなーなんて思っていたら後ろから声をかけられた。

ふりむくとニット帽にマスクの男。

見たことないけど。

 「はい?」

返事をした瞬間だった。

――ギュッ

抱きしめられました。


 「!?」


え?
何何???

さ・・触られてる!?
痴漢!?!?

 「ちょっと!」

押し返そうとするけど力が強い。
住宅街で他に人がいない。

 「誰か・・。」


何これ。
声がでない。
なんで?


気持ち悪い。


 「やだ・・。」


涙がでそうだった。
その時。


 「貴様、俺の女に手をだしたこと、一生後悔させてやる。」


聞きなれた声がした。
そう思ったら男が吹っ飛ばされていた。
そのまま続けてさらに蹴られた。

 「ご・・ごめんなさ・・。」

 「謝罪はあの世でしろ。」

あの世!?
この先輩ならなんかやりかねない!!

 「風間先輩!ストップストップ!」

後ろから抱きついて止めた。
その間に男が逃げ出す。

風「なぜとめる?」

 「殺しそうな勢いだから。」

風「・・そのつもりだが。」

 「あほか!」

風「大丈夫か?」

ぽんと頭に手を置かれた。
なんだこれ。
風間先輩がぼやける。
涙だ。



怖かった。



思わず呟いてしまった。

なんだよ。

こんなときにあらわれてさ。

ちょっと・・どきってしちゃったじゃんか。

安心しちゃったじゃんか。


風「お前は俺の妻だ。守るのは当然のことだ。」

 「だから妻とかなんなんですか。普通お付き合いから始めるでしょーが。」

風「お前がそれを望むならそうしよう。」

 「う・・。なんで私が望んでる形になるんですか!風間先輩がそうしたいんでしょ!」

風「落ち着いたようだな。では帰るか。」

 「ちょっと!聞いてるんですか!そもそもなんでこんなとこにいるんですか!」

風「うるさい奴だな、貴様は。放課後教室に行ってもいないから家まで来たまでのこと。」

 「だからなんで家知ってんだよ!ほんとストーカーだな、あんた!」



安心したとか前言撤回!
この人やっぱり変人だ。


だけど・・

変人が恋人に変わる日がそう遠くない気がして。

腹が立ったので風間先輩に蹴りいれてやった。




  end 

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