「猫?」
話がつながらない。
え?私猫に似てる?言われたことないけど。
山「先月、猫、助けなかったか?」
「猫・・??あ、うん。」
先月確かに猫を助けた。
沖田君や斎藤君と帰っていたら黒猫見つけて。
しかも怪我してたから手当してあげたんだ。
沖田君が飼い主には心当たりあるとかいって連れてってくれたんだけど。
そういえば・・
山崎君に似てるなって思ったんだよね。
「まさか・・。」
山「そう、あの猫・・。」
「あの猫、山崎君だったの!?」
山「・・・・やっぱり、穴、ほるか?」
「や・・やだなー冗談ですよ。」
うめられる!
山「あれは俺の猫だ。」
「山崎君の?」
山「もっと早くお礼を言うべきだったのだが、名字君や斎藤君もいたことを沖田君から聞いたのが昨日のことで。」
「気にしないでー。たいしたことしてないし。あ、でもそれで親切にしてくれたの?」
山「あ・・まぁ・・最初は。」
「最初?」
山「最初はそうだったんだが、その・・。」
あれ、山崎君、また一段と顔が赤いよ。
目がキョロキョロしてるし。
山「放っておけなくなって。」
「え?」
山「目をはなせないというか・・君はいつも危なっかしいから。だから、その・・」
「え?え?」
キョロキョロしていたはずの目はまっすぐ私を見ていた。
山「君のそばにいたい。」
綺麗な目。
吸い込まれそうな。
山「俺と付き合ってもらえないか?名前」
「!?///」
え?何この展開。
さっきまで普通に授業を受けている日常だったよね。
自習でざわついている教室。
山崎君の告白に気付いている人はいない。
私・・山崎君のこと、好きだっけ?
あまり考えたことなかったけど
でも確かに今、ドキドキしている。
「あの・・。」
山「だめだろうか?」
「いえ、あの、ふつつか者ですが・・。」
山「そうか。」
山崎君が笑顔になった。
あ、こんなやわらかく笑うんだ。
胸が苦しくなった。
何これ。
なんでこんなにドキドキしてるの。
山「今度は名前の顔が赤いな。」
「え!いやいや、そんなことは・・。」
山崎君が強くなったー!
だっていつの間にか私のこと名前でよんでる!
一人で勝手にレベルアップしないで!
まだまだ知らないところ、たくさんあるけれど。
少しずつ知っていきたいななんて。
乙女なことを考えてしまった。
おまけ
平(聞こえてるってー!!)
後ろの席のカップル誕生の瞬間を一人静かに聞いた平助であった。