翌日。
「沖田さんのせいです。」
見事に雨だった。
沖「どうして僕のせいなわけ。」
「昨日優しく話きいてくれたからです。」
沖「今からこの雨の中巡察にいく人に言う言葉?ほんと今すぐ切るよ。」
切られる前に逃げ出した。
斎藤組長・・何してるかな。
「組長・・。」
斎「名前、雨だが・・。」
「はい・・。」
斎「でかけるか?」
「いえ・・こんな雨の中組長を外出させて風邪でもひかせてしまったら・・。」
斎「俺は平気だが。」
「お茶でも入れてきますね。」
斎「あぁ。すまない。」
出かけられないのは残念だけど
お部屋でゆっくり話せるからいっか!
「組長!お茶です!!!」
斎「名前、これ食べるか?」
「わぁ!金平糖!どうしたんですか?」
斎「総司が置いていった。」
「え・・。沖田さんが?」
雨、やまなくなりそう。
斎「出かけられなくて残念だね、二人でゆっくり食べて、と。」
前言撤回。
ありがとうございます、沖田様。
「いただきます!」
口に入れると甘みが広がる。
幸せ・・
斎「おいしそうに食べるな、名前は。」
組長が笑ってる!
素敵・・素敵です。
なんか・・悩んでいた自分が馬鹿みたい。
「幸せです。」
斎「そんなに好きなのか?」
「はい、組長が。」
斎「!!/////」
あ、赤くなった。
貴重です!
おさめたい・・どうにかしてこの表情をおさめたい。
私に画力があれば・・。
「私、不安になったんです。もしかして恋仲になったと思っているのは私だけって。舞い上がっているのではないのかって。でも、それでもいいです。そばにいられれば、それだけで・・。」
最後は言葉にならなかった。
気が付いたら組長に包まれていて
力強く抱きしめられている。
「く・・くみちょ・・。」
斎「すまぬ。」
「いや、あの、その・・どうかしました!?」
斎「慣れていない。どうすればいいのか・・。」
「えっと・・。」
斎「お前のように素直に伝えれば良かったのだな。」
さらに強く抱きしめられた。
斎「総司に言われた。名前が不安になっていると。すまなかった・・。」
「い・・いえ!気にしないでくださ・・。」
斎「好きだ。」
「!」
斎「好きだ・・名前。」
「組長・・。」
斎「名前で呼んでほしい。」
「は・・一さん?」
腕がゆっくりととかれ、解放された。
そこには笑顔の一さんがいた。
優しくて・・頼もしくて・・私の大好きな・・。
斎「名前。」
名前を呼ばれ、返事する前に口をふさがれた。
こ・・これは!
く ち づ け !?
斎「不安にさせてすまない。これからは・・。」
再び口づけ。
「んん!?」
しかも大人の。
(い・・息が!どどどどうすれば!?)
斎「不安になる暇など与えない。」
もう自分を抑えないことにした。
耳元でそう囁かれ、再び口付けが舞い降りた。
(あれ!?組長って・・こんな強引なの!?)
翻弄しっぱなしだったあなたが
斎藤さんに翻弄されるようになるのはこれからのお話。
終