掲示板に自分の名前を見つけた後。
すぐに奈緒の名前を探していた。

同じ列にあったことに安堵するとようやく総司や一君の名前も目について今年一年も楽しく過ごせそうだななんて思った。


逆に千鶴とは違うクラスだったっていうのに、それに気づいたのは三人で教室に向かった後で。
もう俺にとって千鶴へのことは過去のことになったんだと確信したんだ。


席についてすぐに奈緒を見る。
離れているのは仕方ない。
だけど総司や一君は彼女の近くでどうしようもないけど悔しかった。
少し人見知りな彼女の近くにいて友達の輪を広げる手伝いをするのは俺の役目だと思ってたんだけどな。


俺や総司から聞いていたせいか一君が珍しく声をかけていた。
といっても一君にとっては業務連絡みたいなものなんだろうけどさ。
三人で話をしているのを見ていてもたってもいられなくて。
気が付いたら席を立ってみんなの所へいっていた。

今までだったら自分の周りの奴に声をかけて、さっさと友達作るのに。


俺が行くとふわりと笑う奈緒にこっちもあったかくなる。
一君と話しているときの緊張感はなくて、ああ、心を開いてくれているんだってことに安心と少しの優越感。


奈緒からの告白を受けてしばらく時間がたった。
もともと良い奴だと思っていたんだ。
俺の恋を応援してくれて、いつでも話を聞いてくれて。
だけど彼女の思っている人が自分だとわかって混乱した。
でも嫌な気持ちになることなんてあるわけない。
むしろ嬉しかったけどあの時は千鶴のこともあったし、よく考えたいって伝えたんだ。
奈緒も納得してくれて俺も真剣に考えて。
そして…今は…。


気が付いたら目で追ってるよ。
お前の周りも見ちまうし、今だって一君や総司と話しているのを見て来たんだ。
これってさ。もうつまり。


――意識してるよ。


伝えなきゃ。
だけど…。


――意識してくれているか?


お前の気持ち、まだ俺に向いてんのかな。
もたもたしてる俺にあきれてねえのかな?
今更遅いって言われたらどうしよう。


そんなすぐには変わらない関係


動きたいのに動けない。

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