「おはよーございます!」

集合場所に着くともうだいたい人は集まっていた。まだ15分前だというのに。

「「「…。」」」

「え?何?」

土方さんをはじめ、永倉さんや平助、もう集まっていた一年生の視線が集中する。

あれ?何かついてる?
いや、鏡見てきたし。
どっか変なの?



「美月ちゃん、可愛いなー!」

「え?」

永倉さんがニコニコしながら言った。

「山ガールってやつだろ?少し派手な色が入っていていつもと雰囲気違うし。髪型も違って…うんうん、可愛い可愛い。」


頭をガシガシなでられる。


「いいじゃん!そういう格好も。そのー…かっ可愛いと思う。」


なんで平助ちょっと照れてるの。
こっちが照れるんだけど。


「あーまぁいいんじゃねぇか?…迷子になるなよ。」


土方さん、ほめるならほめてください。
滅多にないんで。


「美月さん可愛いです!」

「美月先輩、一緒に山登りしましょうね。」


一年生にも群がられた。
ちょっと何、みんな山ガール好きなの!?


「ほら、みんな、そろそろ出発みたいだよ。土方さんについていって。」

「「「は…はい。」」」



またいつの間にか後ろに総司がいた。
だから、気配消すなってば。
一年生が顔ひきつっちゃったじゃない。


「総司、おはよう。」

「おはよう、美月。」

「あのね!みんながほめてくれたよ、この格好。」


ど、どうかな?
いつもよりカラフルなんだけど。
髪も短いけど編みこみとかしてみたんだけど。



「…。」



あれ、無言?
似合わない?



「だめかな?総司と山登りするから…その…がんばってみたんだけど。」



しまった。
また顔が赤くなりそう。
少しでも恋愛の空気になると顔が赤くなる。
ってか、どうしていいかわかんないんだもん!


「一番最初に見たかったな。残念。」

「え?」

「可愛いよ。」

「うえぇ!?」

「何変な声だしてるの。でもあまり可愛い格好しないでね、みんなといるときは。」

「?なんで?」

(ほんとわかってないよね。恋愛経験のない純粋培養娘を。狙っている奴が僕以外にいないと思ってるんだから。)


「抑えられなくてみんなの前で抱きしめちゃうよ。」

「なっ何言ってるの!!!」



総司が甘いです。
あれ?恋愛に関してはことクールなタイプじゃなかった!?
純愛とかばっかみたいとか言ってたよね!?


恥ずかしくていたたまれず、土方さんたちを追いかけていった。

「あ、待ってよ。」

楽しい山登りの始まり。

ここまではそうだったのだ。







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