「ねっ!お願い!どうしても一人足りないの!!!!!」
私の目の前で拝むようにお願いしてくるのは同じコースのお千ちゃん。
千鶴の友達でそこから私も仲良くなったんだ。
明るくてさっぱりした性格だから大好きなんだけど…。
さっきから合コンに誘われています。
しかも。
隣に総司がいる状態で。
「いや…あのお千ちゃん。私そういうのは…。」
「わかってるの!美月ちゃんがそういうのは行かないってことも。それに…。」
お千ちゃんが視線を総司に動かした。
「僕の前でよく聞くよね。そんなこと。」
そう。
実はお千ちゃんは私たちが付き合っていることを知っている。
と、いうより別に隠しているつもりもないからちらほら気付いている人はいるんだと思う。
…何故か剣道部のみんなは気付いていないみたいなんだけど。
「人数合わせだから沖田君の前で聞いてるんじゃない。やましいことがないって証よ。」
「別に美月が浮気しそうなんて思ってないけど。この子のことは信頼してるしね。」
「総司〜。」
えへへ。信頼されてるんだ。
そりゃよかった。
でも彼氏がいたら合コンなんてダメでしょ。
彼氏いなくてもあまり行く気しないけど。
「じゃあお願い!二次会には行かなくていいし、全部奢りだから!」
「駄目に決まって…。」
「今度老舗和菓子屋の金平糖買ってくるわ!限定品でも何でも用意する。」
「…。」
あれ。
もしもーし。総司さん??
何で考え込んでるの?
ねえ、ねえってば。
「千ちゃんって…お嬢様なんだっけ?」
「家が贔屓にしているお店があるの。なかなか手に入らない和菓子もあって全部絶品よ?どう?沖田君。」
「あのーもしもーし。」
「まあ千ちゃんも困ってるんだし。美月は浮気なんてしないから二次会に行かないっていうならいいけど。」
「ほんと!?」
「総司!?」
「ちゃんとお店の名前と場所教えて。それから迎えに行くから終わる少し前に連絡して。」
「ありがとう!沖田君!!!」
「ちょ…私の意見はー!?!?」
こうして。
私の人生初めての合コン参加が決定致しました。
ってか本人の意見はまるで無視ってどうなの!?
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